女優から参議院議員となられた三原じゅん子さん。
その三原議員が意外に奮闘している。
この映像は、去年の2011年10月28日、『北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会』。
当時の拉致問題担当大臣である山岡賢次氏の、
「拉致から戻ってきた方々には1人も会っていない」
「日本人が拉致された現場にも一切行っていない」
「しかし各国大使に会って情報を得るなど、わたしなりに努力をしている」
と答えた後の三原氏の様子だ。
それまでのにこやかな表情とは一転して、
「そうでしょうか・・・」
話し始めた瞬間、♪チャララ~ンという、必殺仕事人の効果音が聞こえたような気がした。
まるで2時間ドラマのラストの鮮やかな謎解きのような、なんとも凄みのある質問だった。
こんな面白い国会の委員会は見たことない。
民放テレビでもやったんだろうか?
さすが元女優だ、感情移入と伝え方のレベルがまるで違う。
こうも違うものかとビックリした。
国会議員の方々は、本当に伝えたいことがあるときは、伝わる話し方を三原氏から習った方がいいと思う。
三原氏は、本当に拉致問題を解決したいという熱い思いで取り組んでいるのだろう。
それなのに、担当大臣が、やる気があるのかわからないような態度じゃ、そりゃキレるよ。
「どんだけ忙しいか知らないが、拉致担当大臣なのに被害者にひとりも会わず、現場にも行ったことがないとは…あまりにもヒドすぎる」
というのが三原氏の意見で、
それに対する山岡氏の言い分は結局のところ、
「拉致被害者に会ったり、現場を視察することよりも、相応のコネクションを使う方が、拉致被害者を取り戻せる」ということらしい。
たしかに最終目的はそうには違いないが、大多数の国民は極めて感情的な生き物だ。
多少は、拉致被害者の心情に寄り添うような行動をしないと、政治家としてはまずい。
唯一、それをしないでも許されるのは、急転直下、鮮やかに拉致被害者を帰国させることだけだが、そんなことができるはずはない。
結局、任期は4ヶ月だったし。
百歩譲って、山岡氏が拉致被害者を帰国させるために、コネクションを駆使して活動しているとする。
しかし「機密事項なので活動内容は言えない」のと、「まったく何にもしていない」のが、国民の目からは同じにしか見えないのが、困りものだ。
この拉致担当大臣。安倍政権のときにできたものだが、歴代の就任期間を見ると極端に短い。
塩崎恭久 1年
与謝野馨 1ヶ月
町村信孝 1年
中山恭子 1年
河村建夫 1年
中井洽 1年
柳田稔 2ヶ月
仙谷由人 1ヶ月半
中野寛成 7ヶ月半
山岡賢次 4ヶ月
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現在
松原仁 半年
内閣そのものが短命なので仕方がないが、これじゃとても継続的に仕事ができるとは思えない。
わたしは人ごとなのでこうして冷静に構えていられるが、拉致被害者のご家族の方々は、本当に歯がゆい思いをしておられることだろう。
新たに人員と予算を増加させたはずなのに、拉致事件に何か進展があったとはとんと聞かないと思っていたらやはり、「救う会」などの支援団体が、菅総理に向けて拉致問題対策本部の機能強化を求める抗議文書を提出していた。
三原氏はまだ議員になって2年なので政治家としてどうかはまだわからない。
でも、心意気と度胸は買った。
この熱さを忘れず頑張ってほしい。
懐かしの『セクシー・ナイト』。
「恋人はいますか?」の質問に「はい」と答えている。
「いいえ」と答えるような性格だったら、政治家にはならなかったかもな。