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拉致現場
拉致現場_f0046622_1312736.jpg11月15日、わたしは誕生日を迎えた。
たいしてめでたくもないトシだが、この日を迎えるといつも、こころの片隅にこっそりひとりの人を思う。
横田めぐみさん。
言わずと知れた拉致被害者のひとりであるこの人は、わたしと同い年。
そして拉致された日はなんと、わたしの誕生日なのだ。

めぐみさんは、中学1年の年の11月15日部活帰りの夕刻、新潟で拉致されている。
中学1年の11月15日の夕刻は、たぶんわたしもめぐみさんと同じく部活帰りだったろう。きっとチームメイトとバカ話をしながら坂道を下っていたに違いない。
そんなときに、めぐみさんは拉致されていたのだ。

拉致事件がマスコミにとりあげられるようになったのは、いつぐらいからだろう?
それ以前から、地元ではたびたびニュースになっていたが、東京に出てきて、東京の人が拉致事件のことを全く知らないことに唖然とした。
ちょうどそのころ、漁師をしていたオヤジが北朝鮮に拿捕され、約1ヶ月間の拘束の後、運良く帰ってきたということも関係しているだろうが「東京にはなんでもある、東京の人はなんでも知っている」そう思い込んでいた田舎モノのわたしだったが、常にものごとの裏側を見るようになったのは、それ以来だ。



拉致現場_f0046622_1263391.jpgあれだけ多い拉致事件だが、実行犯が判明していて、その経緯も全て解明されているのは、実は2件しかない。
そのひとつが地元の海岸で起こっている。
金世鎬(キムセホ)という男に、東京から連れてこられた久米裕さんが、北朝鮮工作員に引き渡された場所、それがここだ。

地元の海岸と言っても、町はずれの、小さな小さな入り江だ。
三方を山に囲まれ、通称「舟隠し」と呼ばれているここは、内海からも外海からも陸からも見えにくい場所にある。
一帯は、一応、国定公園に指定されてはいるが、夏場にちょろっと観光客が来るぐらいで、それ以外の季節は、あまりに人に会うようなことはない。
林の中では、きつつきがコンコンやっていたり、岩場では、絶滅危惧類に指定されているハヤブサが悠々と飛んでいたりするぐらいだから。
入り組んだ海岸線はリアス式海岸ではよくある地形だが、陸と海からの両方の視線を避けようとすると、意外と難しい。
ここが拉致現場だと知ったとき、よくこの場所を探し出したものだと、空恐ろしくなった。

拉致現場_f0046622_1294233.jpgこの日は、べつにわざわざこの拉致現場に行ったわけではない。
この入り江の上は公園になっていて、昔は保育園の運動会や、老人会の催し物が開かれるような、憩いの場だったのだ。
久々に散歩がしたくなったのだが、過疎化が進んだ今では、ほんとうに人っこひとりいず、怖くてとてもひとりで歩けないので、地元の友達にむりやり一緒に散歩してもらったのだ。

現場へと降りていく坂道で、こんなにまっ赤っ赤なもみじを見つけた。
あんまり立派なので、友達と口をあんぐりと開けて、しばらく眺めていた。
北朝鮮はもう紅葉は終わっただろうか?
拉致被害者の人たちも、こうして紅葉を眺めたりしているのだろうか?

公園をぐるぐるした時間:2時間
曜日:土曜日
会った人の数:2人+犬


by adukot_u3 | 2008-11-21 01:38 | 能登半島
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