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『立川談志一門会』
MXテレビという東京の地方テレビ局がある。
あんまり見ているひともいないチャンネルだと思うが、『談志・陳平の言いたい放だい』という番組が面白いのでたまに見ている。
そのなかで立川談志が、大人の大晦日があってもいいじゃないかと言い出し、去年の12月31日の夜、紅白やK-1の裏で、60代最後の落語『芝浜』をやった。

貧乏で飲んべえで怠け者の魚屋の亭主が大金を拾うが、働かなくなることを恐れた女房が、それは夢だったんだと亭主を言いくるめる。
なんとか店一軒持つことができ暮らし向きも良くなったところで女房は、実はあれは夢じゃなかったんだと亭主に打ち明け、詫びる。
怠け者の亭主と、それを立ち直らせようようとする女房との夫婦愛を描いた人情話だが、これが意外に面白かった。
談志も番組内で、いつ死ぬかわからないので見るなら今のうちといつも言っているので、それじゃぁ死なないうちにと見に出かけた。
は〜っ、前フリ長いな(^^;;;

場所は東京北区にある北とぴあ。1300人の大ホールだ。
寄席で見たいのはやまやまだが、立川流は昔の落語協会のイザコザ以来、協会に属していないため、寄席には出られないらしい。



しょっぱなは、立川志の輔(ためしてガッテンのひと)の弟子、
二つ目の立川志の吉で『初天神』。
父親と息子の金坊がお参りに行くというお正月らしい話だ。
キッチリとしたお手本のような落語という印象だった。
ちょっとキッチリし過ぎかな…?

次が立川談春(だんしゅん)で、『三方一両損』。
3両拾った江戸っ子の職人と、それを受け取らない落とし主の江戸っ子との意地の張り合いを仲裁するという大岡裁きの話。
とにかく口跡が良く、声がよく通る。
江戸っ子らしい啖呵の切りっぷりが見事だった。

昨年真打ちになったばかりの立川談笑(だんしょう)は『片棒・改』。
大旦那が、三人の息子たちの後継者としての素質をみるために、自分の葬式のあげ方を尋ねるという話だ。フジテレビの「とくダネ」のレポーターでたまに見かけるので、どんな落語をやるのか興味津々だったが、かなり面白かった。
大きな体をいっぱいに使った熱演で、おかまからユダヤ人まで出るハチャメチャぶりで、会場をドッカンドッカン笑わせていた。
個人的には、ディズニーランドを「秀麗な子供だまし」と評したことに大爆笑。

さてさて御大、談志師匠の登場だが、ここまで集中して3人の落語を聞いたせいか、ときおり抗い難い睡魔が…。
『へっつい幽霊』という、金をへっつい(かまど)に隠したまま死んだ博打打ちが、金が気になるあまり成仏できずに出てくる話だったが、ところどころ意識を失ってしまった。
わたしったら、ナニしに来たのやら(>_<)

病気で痩せたせいもあるいのかも知れないが、談志はなんだか小さく見えた。
別に比べるつもりはないが、去年最後に見た某落語家のその朗々とした声にビックリしたので、談志の声のかすれ具合がちょっと心配になってしまった。
とは言え、トークの内容は相変わらず過激。TVだったら「ピー」が鳴りっぱなしで放送にはならないだろう。
後ろの席の女性が、その度に「キツ〜い」「ヒド〜い」と小声で呟いていたのが妙におかしかった。

初めて観た立川談志一門会だったが、レベルが高いな〜という印象だ。
わたしは「芸人さんはチャーミングであるべし」と思っているが、この日一番チャーミングだったのは、流麗な語り口の談春でも変幻自在に言葉を操る談笑でもなく、声のかすれた談志だった。
by adukot_u3 | 2006-01-22 03:45 | 演劇・演芸
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