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『愛のラビリンス』
『LABYRINTH OF LOVE(愛のラビリンス)』
─夏木マリが、フルオーケストラとジャズピアノをバックに愛を唄い、あなたを愛の迷宮へと誘う豪華なコンサート─に行った。

これは東京池袋にある東京芸術劇場が今年から企画したポップス系コンサートの第一弾らしいのだが、この企画に仕事で関係しているe-ponちゃんが、わたしの夏木マリ好きを知ってわざわざ招待してくれたのだ。 ちかごろなぜか、幸運にもこういう機会に恵まれている。
ほんとうにありがたいことだ。

二千席ある座席はほとんど満杯。
前半は新日本フィルと、e-ponちゃんおすすめのクリヤマコトのコラボレーションで、後半それをバックに夏木マリが歌をうたうというプログラムだ。
新日本フィルの演奏は迫力があった。そしてクリヤマコトのピアノも、素敵だった。

しかし、やはりなんと言っても夏木マリ。
いやぁ〜やっぱりカッコイイっす。
歳をバラすのは気がひけるが、53歳!
このカッコ良さはなんだろう?
薄い葡萄色のシルク・オーガンジー(たぶん)のドレスからのぞく、しなやかでムダのないボディ。
フルオーケストラに全くひけをとらない存在感。



この人が昔、つけ睫毛バリバリのアダルトメイクで、ネグリジェのような衣装を着け、怪しいフィンガーアクションで世の男性を悩殺していたとは、誰が思うだろう?

♪ああ〜ん 抱いてぇ〜   獣のようにぃ〜〜
 裸のわ・た・し・にぃ〜〜 火をつけてぇ〜
とまぁ歌詞もまたスゴイ。
作詞は阿久悠。さすがだ。

そのころ流行っていたフザけたお色気番組とは明らかにちがう、彼女の『絹の靴下』をTVで見るたび、小学生の私は見てはいけない大人の世界をのぞいてしまったような気がしたものだ。
ところが、エロエロだと思っていた『絹の靴下』は、大人になってから見た昔のTV番組で、実はそれほどでもないことに気づいた。
それもそのはず、当時彼女は何と、21歳だったのだ。
ま、歌わされていたっつーことですね。

関係ないけど、ちょうど同じころに渚まゆみという歌手が歌っていた『奪われたいの』の歌詞もスゴかった。作詞はダンナでもある浜口庫之助。

♪あげるのはイヤッイヤ〜 奪われたいの(中略)
 見せるのはイヤッイヤ〜 のぞかれたいの(中略)
 教えるのはイヤッイヤ〜 さぐられたいの(中略)

もうここしか憶えていないが、浜口庫之助と言えば、私のなかでは『バラが咲いた』や『涙くんさよなら』の人だと思っていただけに、これはほんとうに衝撃だった。

というわけで、夏木マリはチョー素敵だった(笑)。
でもそれは、彼女が醸し出す雰囲気であって、実際の歌はどうだったのかと言うと…これは…ウ〜ン…
声質が硬くてまろみがない(と私は感じた)ので、残念ながら歌自体にあまり深みを感じられなかった。
そもそもこういう声の人が、リリーマルレーンや愛の賛歌などを大上段に歌うというのはいかがなものか? もっと声質を活かせる曲はたくさんあるだろうに。
ただ、声色や表情が豊かなので、ひとり芝居の劇中歌を観ているようで、表現としてはとても伝わってくるものがあった。
このへんが歌手と女優の違いかも知れないが、そういう意味で言うと、このひとの女優転身は大成功だったと言える。

かつて、お色気で一世を風靡したひとは今、舞台・映画・ドラマのみならず、自らが企画・構成・演出する『印象派』というパフォーマンスで表現者として戦い続けている。
もうあの『絹の靴下』が聴けないと思うと、ちょっと寂しいが。
by adukot_u3 | 2006-01-19 11:00 | 演劇・演芸
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