NHKで深夜にやっていた海外ドキュメンタリー『
ヒトラー・チルドレン~ナチスの罪を背負って~』という番組を見た。
イスラエルとドイツの共同制作という興味深いものだ。
まず、ヒトラーの側近たちの子孫にスポットを当て、彼らが今現在何を考え、どういう行動をしているかを追跡する。
それによって、ナチスによるホロコーストという所業が、その犠牲者や家族、子孫に影響を及ぼすだけでなく、加害者側の彼ら側近の子孫にも取り返しのつかないような深い傷を負わせていることを明らかにして行く。
印象深かったのが、ゲーリングを大叔父に持つ女性。
兄と揃って避妊手術を受けたという。
罪悪感に苛まれ続けて生きる人生を、子孫には歩ませたくないという思いからだ。
ヘスの孫は、ホロコーストの犠牲者の子孫に「どの面下げて来た」的なことを言われるが、生き延びた老人に「君がやったわけじゃない」と慰められて涙を流した。
彼らは、自分たちがやったことじゃない罪の意識に苛まれ続け、一生をめちゃめちゃにされた。
もちろん彼らだけでなく、ナチス関係者の子孫たちで、被害を蒙っていない人は皆無だろう。
ナチスのホロコーストという事実がそれだけ人々の意識の中に、今も生々しく刻み込まれているということだ。
昔、一緒に仕事をしたヨーロッパからの帰国子女が、「海外旅行先では、間違ってもナチスの話をしちゃダメだよ」と、口を酸っぱくして言っていた意味が、今やっとわかった。