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書籍・角田光代『対岸の彼女』
実家に戻る前夜、ブックオフで角田光代さんの『対岸の彼女』を買った。
田舎に帰ったらのんびり読もうと思っていたら、実際は東京にいたときよりなんだか慌しくて、寝る前に読み出して5分もしないうちに寝てしまうという繰り返しで、仕事で読まなきゃいけない本の合間に読んでいたせいもあって、全部読むのになんと2ヶ月もかかってしまった。
でも、途中からはハマってしまって、寝る時間を削って読んでいた。
そのぐらい久々に面白い小説だった。
あとで、直木賞受賞作と知って、なるほどと思った。

専業主婦と未婚の女社長の友情の物語・・・と言ってしまうとなんだか陳腐な感じがするが、早く言えばそういうハナシ。
日本の思春期の女子は、何かと連れ立って歩くいわゆる「連れション的発想」が服を着ているようなものだが、意地悪な見方をすれば、孤独に対峙することを極端に恐れる日本の女性の未熟さを露にしているとも言える。
なーんて言ってるわたしも高校生の時には、孤立することを何よりも恐れているにも関わらず、そんなのぜーんぜん怖くなんてないぜ!と誰も見ちゃいないのにアピールするような、そんな持って回ったような面倒くさい子供だった。
この小説は、そんな日本人の思春期特有の面倒くささを丁寧に描いていて、とても共感した。
by adukot_u3 | 2013-07-03 22:17 | 書籍
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