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『立川志らく独演会』
立川志らく。
言わずと知れたあの立川談志の弟子。
自らも弟子をたくさん抱える師匠なのに、立派な黒紋付が
なんだか七五三のように見えなくもない童顔。
なのに、どことなく骨っぽい。
さほど魅力的な声でも、話術を聴かせるタイプでもない。
当然、大掛かりな舞台装置や照明があるわけでもなく、
ただ台の上の座布団に座ってしゃべるだけ。
それなのに…リアルで瑞々しい映像が目の前に広がる。
1時間近くある古典落語の長講、それも二席なのに、
なぜだかぜんぜん退屈しない。

これはスゴイ!スゴそうに思わせないけどスゴい。
プログラムには、どこまで映画的に描けるか・・・とあるが、
なるほど、ほんとうに映画を観たような気がする不思議な
落語だ。
昔ながらの古典落語の様式を愛するひとは好まないかも
知れないが、きっとこういうヒトが、古典落語を現代に
つなげるのだろう。

この日の演目は次のふたつ。



●ちきり伊勢屋
先代の強引な商いにより大きくなった質屋「ちきり伊勢屋」の
若旦那が、当ると評判の占い師に「来年死ぬ」と言われる。
どうせ死ぬならと言われるまま、使用人に暇を出し、先代の
強引な商いの償いも兼ねて貧しい人々に施しをして回っていたが、
結局、占いは外れ、伊勢屋もつぶれることに。

どうしてくれると若旦那が占い師に詰めよると、善行のせいで
人相が変わり、今度は長生きするという。
今に運が開け、必ずや伊勢屋を再興できると言われて行った
品川で、ひいきにしていた幇間の着物をもらい受けて質屋に
行ったところ、そこの女主人は、かつて子連れで首をくくろう
としていたところを助けた母親だった。
若旦那はその娘と夫婦になり「ちきり伊勢屋」を立派に
再興したという話。

●与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
ご存知お富・与三郎のお話。
と言うのは知ったかぶり。
歌舞伎でも何でも実際に観た事は一度もない。
台詞もちょっとぐらいなら知っているし、春日八郎の歌も
一番ならソラで歌えるけど、
じゃぁどんな話なの?って言われると「さぁ…^^;」

やくざの親分の妾であるお富に与三郎が一目惚れ。
ビビビと来た二人の関係はすぐに親分の知るところとなり、
与三郎は半殺しの目にあって、イケメンが台無しに。
傷心のお富も身を投げるが運良く助けられる。

三年後、一命はとりとめたものの、身を持ち崩した与三郎。
偶然ゆすりに入った先がなんと、再び別口の妾におさまって
いたお富のところだった。
「いやさお富ぃ〜、久しぶりだなぁ」
という会話は、そのときのものだ。

その後すったもんだあるものの、相変わらず与三郎はお富に
ぞっこんLOVE(古っ^^;)。
そのせいで人を殺めてしまい、島流しにもあったりするが、
お富恋しさになんと島抜けまでして逢いに行く。
「与三さ〜ん、よよよよ」と泣きはするものの、このお富、
そんな…という仕打ちを平気でやってのける、たいしたタマだ。
与三さんたら、あんな女に惚れさえしなければねぇ…と
同情せずにはいられない話。

へぇ〜、こんな話だったのか。
意外といるんだよね〜こういう女って。
(とある女を思い出すワタシ^^;)

ストーリーは芝居用に脚色されているけれど、なんとこの二人、
実在の人物だったらしい。
by adukot_u3 | 2006-04-19 23:12 | 演劇・演芸
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