筑紫哲也『最後の多事争論』


ジャーナリストの筑紫哲也氏が生前、「日本はずいぶんガタが来てるんじゃないか、先が暗いんじゃないか、凋落してしまうんじゃないかという世の中に広がっている不安」についてコメントを寄せている。(4:56)





(要約)
政治とは、世代の間でパイを奪い合うこと。
つまり、これからの若い世代のためにどれぐらいお金を使うか、世の中のために尽くしてきた高齢者のためにどれぐらいお金を使うかという配分の争いであり、それが政治の基本である。
じゃあどっちに配分を多くするかということが政治の選択肢であるはずだ。

それなのに、この国は未来にも過去にも投資していない。
若い世代にも高齢者にも配分せず、そうじゃないところに行っている。

(自らの病気であるガンに例えて)
人間の体がガンにかかると、本来使うべき栄養やエネルギーがガンとの闘いのためにそっちににとられてしまい、本来、人間が生きていくべきところに向かわなくなってしまう。
日本という国は一言で言えば、ガンにかかっている状況。
そう考えると難しいことでもなんでもなく、起きていることは非常にハッキリしている。

問題はハッキリしている。
ある意味では単純である。
だからやれることは簡単かというとそうではない。
しかし、問題はここにあるんだということをハッキリしないと何ごとも始まらない。
そのうえで、それに向かって戦うのか、それに負けるのか?
そこがわたしたちに迫られている選択肢である。

このぐらい単純な話をするのにも時間が要る。
それに比べると、テレビは短過ぎたなぁといつも思う。
テレビで何かしらコメントをする場合、30秒以内というのが普通だが、「多事争論」はテレビのルール違反で、普通の人がやっていいコメントの限界の3倍は喋っている。
喋ってる当人は、そんなに長く喋っているのに、いつも欲求不満。
自分の言いたいことが全部言えたことは、長年やっていてハッキリ言うと1回もなかったと言っていいと思う。

テレビの影響とか説得力とか言うが、説得力のあるテレビをやってきたという憶えは18年半番組を続けていてもなかった。
短くしか説明できないというテレビの恐ろしさと欠点があるということを、テレビを離れた今つくづく思う。
(要約おわり)



筑紫氏はガンが何なのかはハッキリとは言わなかったが、たぶん、官僚の天下り先である特殊法人や、数千にも及ぶといわれる公益法人、認可法人、ファミリー企業を指してるんだろうと思う。
わたしたちの税金は、経済政策とか景気対策とか言いつつ実は、それらの中を還流しているばっかりで、民間には回って来ていないからだ。
平成25年後の一般会計予算の概算要求額は98兆円(これもすごいが)だが、実はそれのゆうに4倍はある特別会計がその証左だ。

年齢別投票率の推移というグラフがある。(財団法人 明るい選挙推進協会より拝借)


こないだの衆院選の結果は反映されていないが、全体の投票率は59%だったというから一番右端のデータを全体的にかなり低くした感じと考えればいい。
筑紫氏の言うように、政治が世代間でのお金のぶん取り合戦だとしたら、20代はただでさえ先行きが暗いのに、初めっから戦ってもいないということになる。
このグラフを見ると、今たくさん年金をもらってる人たちは、やっぱりちゃんと選挙に行って一応は戦ってることがよくわかる。
企業がマーケティングをするように、政治家も投票率の高いところにターゲットを設定するのは自然なことだし、投票はそれに対してのアピールでもある。
ベストな人はいないかも知れないが、とりあえずベターな人に入れて投票率を上げるというのもひとつのアピールの仕方だと思う。
アメリカの歴史学者ハワード・ジン氏は、
「政府は必ず嘘をつくものです。
歴史を紐解いて、鵜呑みにしないようにしてしっかりした未来を作りなさい。」

と言っている。

政府とは、アメリカ政府だけではなく、どこの政府も一緒。
ニュースのような一瞬で消えるものではなく、もっと長いスパンで物事を見ないと本当のことはわからないということだ。
民主主義には、面倒くさいがメンテナンスが必要なのだ。
メンテナンスフリーがいいなら全体主義や独裁主義になるしかない。
(ジャーナリスト・堤未果氏)

全体主義や独裁主義はともかく、民主主義であっても政府に自分の未来を丸投げしてはいけないということだ。
でも、自国の未来をどうするか?を自分たちで考えたことすらないわたしたち日本人に、果たしてそんなことができるのだろうか?
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by adukot_u3 | 2012-12-20 06:36 | 政経・社会

歌好き地図好き散歩好き。モットーは『自分で調べて自分で考えて、なるべく自分の事は自分でやる』。さそり座、黒ひょう、AB型女。


by maccheroni
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