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秋の一日

親戚の法事で実家に行った。
ついでに「きのこ狩り」にも行った。
本当は「きのこ狩り」なんていうお上品な言い方はせず、「こけとり」または「こけぼり」と言う。

晴れ渡った秋空の下、山のてっぺんの枝豆畑。
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能登半島は平地が少ないので、一面の田んぼとか、畑とかを見ることはまずない。
畑があっちに少し、こっちに少しと、棚田のように立体的だ。

お目当ての「しばたけ」は、しげみの落ち葉が積もったところに、こんな感じに生えている。
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しばたけ今の時期はこの「しばたけ」のほかに、「ごっさかぶり(正式名「くりふうせんたけ」で)」や「しもおこし」などなど、大きな市場には出ないために都会の人が目にしたことのないようなきのこがじゃんじゃん穫れる。
それらはなにもせず自然に生えてくる、まさに山の恵み。
お金も払わずに食材が手に入って、おいしいおかずが食べれるなんて、なんとまぁ豊かなことか。
新米で炊いたごっさかぶりの炊き込みご飯なんて、それ以外なにも要らない美味しさだ。

もうひとつ、能登半島の利点は熊がいないこと。車で30分も行けば必ずどこかの海に出るので、それほど深い山はない。
(↑ ごっさかぶり)
(↓ しもおこし)
しもおこしきのこに集中すると、つい奥へ奥へと入ってしまって気づくと周りの人から離れてシーーーンとしたところに一人ポツーンという怖いことがままある。
でも、どんなに奥に分け入っても熊に遭遇する心配がないという安心感は、山に不慣れなわたしのような者にとってはありがたい。

こういう大量生産でない自然に近い食材を口にすると、自然に対する畏怖だろうか?ふだんグルメ記事を見たり、あれが美味しいだのこれがマズいだのと言っている自分がなにか、食べ物に対してとても卑しい人間のような気がする。
とはいえ、またグルメ記事を見たり、あれが美味しいとかマズいとかは、相変わらず言うんだけども…。
農業の実際を知らない人間が、聞きかじりでしたり顔をするのもどうかと思ったので、TPP関連のことについても農家の方に直接聞いてみた。
そこでわかったのは、同じ農業でも、自家用にだけ作っている農家と、出荷して売り物にするために作っている農家では大きく違うということ。

収穫後には毎年タネがとれるのに、それを使わずに毎年タネを買うとは、なんともったいない!と農業を知らないわたしなんかは思っていたが、収穫後のタネから一定の品質のものを育て上げるというのは、実は農家さんでもけっこう難しいのだそうだ。
毎年とれたタネから育てているのは、数少ない自家用の農家だけで、出荷用を作っている農家は、今も毎年タネか苗を買っているそうだ。
確実な現金収入のためには、規格に合ったものを作らなければならず、収穫したタネから育てるというような確率の低い農業はできないらしい。
それもこれも原因は、わたしたち消費者が見てくれの悪い野菜を買わないことにある。

そういうわけで、タネを毎年買う必要があるのはTPPとは関係ないことはわかったが、長年農業で生計を立てている方は、やはりTPPには否定的だった。

そのほか気になったのは、セイタカアワダチソウの異常繁殖。
稲刈りの終わった田んぼや川原が黄色くなっていた。
外来モノなので繁殖力が強く、福島でも問題になっている。(11月25日福島民報)
こういう外来種が従来種をおびやかすの図は、どうしてもTPPと重なって見える。

そういえば昔、女優の十朱幸代さんが『セイタカアワダチソウ』という歌を歌ってたなぁ。
どういう草か知らなかったときは良かったが、こう朦朦と生えて迷惑なものとなってくると、今後はまず聴くことはないだろうな。
今までもあんまり聴いたことはないけど。
by adukot_u3 | 2012-10-26 12:50 | 能登半島
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