能登半島が世界農業遺産というものになって、そろそろ1年。
このたびロゴマークが決まった。
募集してることは知っていたけど、見たときにはもう締め切り間際で、それでも一応は考えてみたものの、これというのが浮かばないまま、タイムアウト!
応募数が少なかったらどうしようと心配していたが、そんなことは杞憂で、全国から数百もの応募があったらしい。
決まったのはこれ。
わたしが考えていたのより、ぜんぜんかわいらしい。当然か。
欲を言えば、周りの文字が少々堅い気が・・・まぁそれは、あくまでも欲を言えばの話。
今まで、あることすら知らなかった世界農業遺産。
自分とこの田舎が認定されたことで、改めていろいろ考えることが多くなった。
能登半島以外にどこが指定されているのかと思ったら、
チリ、ペルー、フィリピン、インド、タンザニア、ケニア、アルジェリア、チュニジア、中国4ヶ所。
能登半島には、大きな港があるわけでも、広々と続く平地があるわけでも、大きな川があるわけでもない。実はないないづくし。でも、大規模なことをやろうとしなければ、そういう環境でも十分に農業や漁業はできるのだ。こうした身の丈に合ったやり方は、これらの国々と相通じるものがあり、わたしたちがこれから考えなくてはならない価値観だと思う。
世界遺産には、文化の果実や、人の叡智、財力を結集した、素晴らしい遺跡や建造物がたくさんある。多くの人々の関心を集め、経済効果もある。
でも、この世界農業遺産の認定は、それとは逆に、農村や漁村で暮らす名もない人々の暮らしそのものに対してなのだ。
こういうものに認定されると、なんとなく朴訥とした人が多いように思われがちだけど、総じて人々はかなりお喋りで明るく、そして強い。
大陸との交易や、北前船の往来、遠洋漁業で栄えていた頃の名残りなのかも知れない。
そういうギャップもまた、魅力のひとつだ。
【
能登の里山・里海ポータルサイト】
【写真家・織作峰子さんによる「
能登回廊100選”詩季織々”」】