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ミュージカル『エリザベート』20周年
芝居を見ない人には、なんのことやらわからないかも知れないが、世界各地で上演され、日本でも人気のミュージカル『エリザベート』が、初演からなんと20周年を迎えたことで再び上演されるらしい。
『エリザベート』は、世紀末のウィーンを舞台に、ハプスブルク家の皇妃エリザベートの生涯を描いたもの。
”死”を擬人化し、エリザベートがそれに魅入られたがために、生涯”死”の影がつきまとい、最期はその”死”と結ばれるという、独自な解釈によって展開する。

今でも忘れない。
旅先のウィーンで、雪の中をホテルに向かって急いでいたら、珍しく行列が出来ていて「いったいなんだろう?」と訝しんで通り過ぎ、日本に帰ってからそれがなんと「エリザベート」の初演のチケット販売だったことを知って地団駄踏んだことを…。

エリザベート劇場の脇を通ったときに見たポスターはこれ。「Elisabeth」と書かれたサイン風のロゴと、扇。
エリザベートが生前使っていたものらしいが、当時の私には、そこから彼女を思い浮かべる想像力は全くなく、「エリザベスって誰?」と通り過ぎたことが、今でも悔やまれる。
でも、宝塚歌劇で初めて観たとき、この難曲揃いの演目をよくもこなしたもんだ「宝塚やるじゃん」と、鳥肌が立ったことを憶えている。


ミュージカル『エリザベート』20周年_f0046622_22521434.jpgこのエリザベートという人、ドイツのバイエルン公の娘として伸び伸びと育ったのに、オーストリアの皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に見初められたために16歳で結婚。厳格な宮廷生活に耐えられず、旅行だの慰問だのと、しょっちゅう家を空けていたらしい。
美貌を維持することにかける執着心は尋常じゃなく、その壊れっぷりは、人が水の合わないところで無理やり生活することが、いかに非合理的なことかをつくづく考えさせられる。

そのへん、どこぞの皇太子妃になんか通じるものがあるようなないような…。
皇妃になるからには皇妃らしくしないとダメなんだろうけど、人間、やりたくてもできないこともあるんじゃないかなぁ。それを精神論でまくしたてられても…。

結局、エリザベートは王室に最後までなじめなかった。それが影響したかどうかはわからないが、息子ルドルフ皇太子は自殺、後年、自らも旅先のスイスの湖でアナーキストに刺されて亡くなってしまう。

狂王と呼ばれ、ルキノ・ヴィスコンティ監督で映画にもなった、バイエルン王ルートヴィヒ2世とも仲良しだったらしいので、何かしら通じるところがあったんだろうと思う。そう言えば、彼も湖のほとりで謎の水死を遂げている。

エリザベートもルートヴィヒ2世も、身近にいたらエキセントリックでかなり迷惑だが、だからこそなぜか惹かれる、不思議な魅力のある人たちだ。


ストーリー自体は断然、宝塚向きだと思うけど、ウィーンのは舞台美術・装置がすごい。舞台の床が何分割もされてて、それぞれが独自に動く。(DVDでしか見てないけど)
by adukot_u3 | 2012-02-10 22:06 | 演劇・演芸
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