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国立歴史民俗博物館と堀田正睦とTPP
国立歴史民俗博物館と堀田正睦とTPP_f0046622_2291076.jpg●MAPS、佐倉へ
かねてより行きたかった、千葉の佐倉市にある「国立歴史民俗博物館」に行ってきた。同行者はかつての同僚、歴女のEちゃん。
古地図好き散歩好き歴史好き、おまけに酒好きな私たちは、勝手にMAPS(マップス)という名前をつけ、不定期に都内や郊外の面白そうなところを歩き回っている。
最後は反省会と称する飲み会をやって〆るのが恒例だ。

都内から約1時間、長嶋茂雄さんの出身地として有名らしい佐倉はけっこう田舎だった。
駅前だと言うのに、お店もこれと言って見当たらないので、仕方なく庄屋でランチを食べ、寂れた街並みを歩くこと15分、突然小高い丘が…。
この辺り一帯は佐倉城の城址で、博物館は今は城址公園となっているこの丘の上にある。広々とした敷地からすると、さぞや立派なお城だったんだろう。

●堀田正睦と日米貿易
この佐倉城の城主にはかつて、江戸末期に活躍した老中・堀田正睦(ほったまさよし)がいたらしい。この正睦という名前、元は正篤だったのを篤姫のお輿入れが決まったことで改名したらしい。フェミニスト?
ちなみにNHKの『篤姫』では、辰巳琢郎さんがやっていた。
そんなことがわかると、とたんに身近な感じがするから不思議だ。

この堀田さん、大の蘭学好きでバリバリの開国派。
彼が佐倉に招いた医者が作った「順天堂」という病院兼蘭医学塾が、今の順天堂大学になったらしい。へぇ~。
そんな彼は、日米修好通商条約の交渉においても、「国の力を強くするのは交易だ」という信念のもと、幕府主導による開国・貿易を強く望んでいた。
でも、それよりハリスは一枚も二枚も上手だった。
「交渉に応じないと米国艦隊が来ちゃうよ」とか、アヘン戦争で清がひどい目にあったことを例に「相手がイギリスならこんなもんじゃ済まないよ」とか「開港すれば貿易利権を幕府が独占できてウハウハじゃね?」とか脅しすかしの手練手管。
結局、最後は朝廷の許可もないまま、治外法権と関税自主権のない不平等な条約を結ぶことになる。
日本がいつまでも鎖国し続けるのは無理だったとしても、内容が不利すぎ。

でもこの状況、TPPで市場開放を迫られている今の日本ととてもよく似ている。
もしもこの時のように、自由貿易の名のもとに結果として治外法権や関税自主権を失うことになってしまったとしたら、日本は外交的に歴史からなんにも学ばない国ということになる。

●博物館の展示
話が逸れたが、そんな人がかつて住んでいた所に建つ博物館は、さすがに国立だけあって建物自体も広くて立派。
上野公園の博物館や美術館と並んでても全然おかしくないぐらい、展示物も予想をはるかに超える充実ぶりで、じっくり見てたら絶対に一日じゃ終わらない。
こんなことなら、庄屋のランチをもうちょい早く切り上げるべきだったと反省。

展示の中で、テンション上がったのが、まだ江戸に大名屋敷が残っていた頃の街の写真。
どこから撮ったのかは知らないが、山の上から見渡したような写真が張り合わされていて、巨大なパノラマ写真のようになっている。
江戸のどこにどんな大名屋敷があったかは古地図を見ればわかるが、あらためて写真で見せられると、そのリアルさについ見入ってしまう。

●憧れの団地生活
1962(昭和37)年に建設された、赤羽台団地のひと世帯を実物大で再現した一角も面白かった。要は団地のモデルルームみたいなもの。
今見ると、ちょっと古めの普通のお宅?って感じだが、あの頃のお父さんたちは、こういうのを夢見て頑張って働いていたんだろうなぁ。
あゝあれから50年、今みたいな世の中になるなんて誰が思ったろう。

●生理用品の進化
閉館間際で慌しかったので、じっくりとは見れなかったが、興味深かったのが、昔(明治~大正)の生理用品
一瞬見たときは、ふんどしかガーターベルトか貞操帯かと思った。
どれもちゃんとは見たことないけど。
こんなんじゃ、おちおち外出も出来ないだろうに…と思っていたら、
昔の女性は働いてないし、そういう時は極力外出を避けてたらしい。

でも、普通の女性ならそうだったかも知れないけど、うちのばぁちゃんは髪結だったので、おかもち持ってバリバリ働いていたはずだ。
いったいどうしてたんだろう?
生きてるうちに、もっと色々聞いとくんだったな。

堀田正睦がどうしたこうしたとかいうオモテの歴史もいいけど、こういう普通はおおっぴらにならないようなものが収蔵されているところが、民俗博物館の面白いところ。
ある意味秘宝館的な魅力だ。
by adukot_u3 | 2012-02-01 22:15 | 散歩・旅行
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