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TV『爆笑問題のニッポンの教養~ロボットバカ一代~』

子供のころ、『空手バカ一代』という漫画が流行っていた。
極真空手の創始者、大山倍達(ますたつ)氏の自伝的漫画で、それにカブれたイトコのアニキが鉄の下駄を買ったりしていたが、わたしも影響を受け、家ではお下がりの柔道着を半纏代わりに羽織っていた。やってもいないのに。
まさに『空手バカ一代』に感化されたバカコンビだ。

たまに観ている『爆笑問題のニッポンの教養』という番組。
この回は『ロボットバカ一代』とサブタイトルがついた生田幸士東大教授がゲストだったが、この人の研究がホントにすごい!
人体に直接入り込む、200分の1ミリという医療用極小ロボット・ナノマシンを開発しているのだ。
まさに、映画『ミクロの決死圏』さながらで、話を聴いているだけでワクワクする。

ナノマシンは、液体プラスチックに光を当てると固まる性質を利用して作られ、一体成型でなんと3分でできる。
形は、直方体の先に毛抜きの先っぽみたいなのがくっついているだけで、きわめてシンプル。
直方体の端っこにレーザーを感知する場所があって、体内にあるナノマシンに向けて、体外からペンのようなものでレーザーを照射することでコントロールするようになっている。

細胞を押したりつまんだりして反応を見るときには、それが固いとか柔らかいとかまで、ペンを持つ人の手に伝わるように設計されている。ビックリだ。
球の先に小さな針がついている、真珠のピンブローチみたいな形をしたナノマシンもあるが、これは注射用。
ただし量が少ないので何回かに分けてやる必要がある。
でも、本来なら開腹手術をしないと手の届かないところに薬を届けられるなんて、ほんとに夢のような話だ。

生田教授が医療機器の研究をするようになったのは、そもそも気乗りしない金属工学に配属されてしまったからだそうだ。
興味もないので、どうしようかと教授に相談したところ、「興味のない分野でも辞めないでやると、専門分野をふたつ持つことができる」とアドバイスされた。
そのとおりやってみたところ、形状記憶金属に詳しくなり、それまでのいわゆるメカニックな産業用ロボットばっかり作っている研究者にはできない、医療用ナノマシン研究のエキスパートになれたということらしい。

教授の話で一番ビックリしたのは、工学系に進むキッカケとなったのがナントあの『鉄腕アトム』だったということ。
そして、学会で「ロボット工学を志したキッカケ」を調べてみたところ、約4割がアトムだったという話だ。
最先端の研究者が、アトムから始まってるなんて・・・。

やはり人間は、夢を持つと俄然やる気を出す生き物なんだなぁ。
誰もが生田教授のようになれるわけではないが、小さいころに触れるオモチャや本って、実はけっこう大事なのかも知れない。
息子たちに漫画を読ませなかったという石原都知事に聞かせてやりたいわ。

以前、手塚治虫さんが医学生時代に書いたという医療用のイラストを、手塚治虫記念館で見たとき、あまりにリアルでびっくりしたことを今思い出した。
もうそのまま医療の専門誌に載せられるぐらいのクオリティだった。

そう言えば、手塚さんも漫画家と医学博士というふたつの専門分野を持っている。
だから誰にも真似できないリアリティのある漫画が描けたのか。
その人が描いた漫画に魅せられた少年がまた、ふたつの専門分野を持つことで、画期的な研究をなしえている。不思議なめぐり合わせだ。

この番組は、ざまざまな分野のエキスパートの研究現場に行って、爆笑問題のふたりがいろいろちゃかしながらリポートするという番組だが、観てると「最先端ではこんな研究がされているのか・・・そしたら未来はこうなってああなって・・・」と、なんだか少し先行き明るい気持ちになれる。

それと同時に、こういうエキスパートになるには、バカじゃ無理、頭が良いだけでもダメ。頭の良い人がバカになって初めてできることだということも、よ~くわかる。
あ、ここでもふたつの専門分野が要るんだ。


by adukot_u3 | 2011-02-20 07:43 | TV・音楽
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