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韓国ドラマ『王と私』
王と私内侍(ネシ)と呼ばれる宦官(去勢された宮中の役人)を描いた韓国の王朝ドラマ、『王と私』。
去勢とは、早い話が男性の性器を切断してしまうこと。阿部定の相手の男性は亡くなっているから、たぶんそれはほとんど死ととなり合わせだ。

最初はただの刑罰だった。それが、去勢すると力も弱くなって武力蜂起の心配はないし、なにより王に仕える周りの女たちと間違いを起こすこともない。これは使える・・・ということで、王の身辺の重要な仕事にかかわることが多くなった。よっぽど使い手が良かったのか、そのうちだんだんと権力を握るようになり、一種の特権階級となっていった。

下層階級の子供は、口減らしのために、内侍になるための寺子屋みたいな予備校に売られたり、出世のために自ら進んで去勢をして内侍になるものも多かった。彼らにとっては、それだけが貧乏から抜け出す唯一の方法だったのだ。

当初は、内侍になるということは、金や権力と引換えに男でも女でもない便利な存在になることだったが、宮廷内で力をつけるうちに、なんと内侍なのに奥さんをもらい養子ももらい、名家としてその政治的地位を世襲させるようになっていく。派閥があったり世襲に躍起になったり、去勢はしたけど女遊びもする・・・まったく今の政治家とおんなじだな。人っていつの時代も権力を握るとやること一緒なんだなぁ。

妻を娶り子を持ち、高い社会的地位と財産を得てもなお、陰では嫉妬混じりに「種なし」と言われバカにされている。内侍たちはそれを知っているからこそ、有無を言わさぬ経済力と政治力でそれらをねじ伏せ、なによりも内侍府(ネシブ・内侍の役所)の存続に固執する。内侍府がなくなれば、ただの「種なし」になることは本人たちが一番よく知っているからだ。

『王と私』は、そんな内侍が絶大な権力を握っていたころのお話。
主人公のチョソンは王族の家に仕える貧しい家の子だが、王族であるソンジョン、貴族の娘ソファと幼いころからの仲良し。チョソンもソンジョンもソファのことが好きなのだった・・・。

成長したソンジョンは国王となり、ソファは側室に請われて王宮に上がることになった。どうにもならないとは知りつつ身分違いの恋に苦しむチョソン。そして、初恋の人を守るために彼がとった行動は・・・自ら去勢し、王室付きの内侍となって生涯を捧げることだった。
あぁチョソン、なんてことを・・・(T_T)。

内侍となったチョソンはなんと、国王ソンジョンと初夜を迎えるソファを、王の御寝所まで背負って行くという役を命じられてしまう。御寝所まではソファは目隠しをされているので、背負っているのが誰かはわからない。背中にソファのぬくもりを感じながら初夜への道を歩くチョソン・・・。運命とはいえ、なんて残酷なのだろう。

この先、チョソンの献身はさまざまな場面に登場する。もちろんそれは当のソファすら知らない。決して叶うことのない身分違いの恋のために、ひたむきに生きるチョソンの姿はひたすら強く美しく、そしてあまりにも哀しくはかない。
『王と私』はフィクションかも知れないが、内侍はたしかに実在した。彼らを見ていると、人間の業というものを改めて考えさせられる。



王と私第1章前編 DVD-BOX | 商品情報(商品)
by adukot_u3 | 2010-03-29 01:25 | 韓国ドラマ
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