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鶴見線開業80周年
鶴見線開業80周年_f0046622_18141592.jpg 鶴見線に乗ってきた。鶴見線とは、神奈川県の鶴見から京浜工業地帯へ向かう路線。元は貨物だったが、その後工場へ通う人々のための通勤用になった。本線と短い支線2本からなるが、全部合わせても十数キロにしかならない。

 なぜ鶴見線なのかと言うと、昔、YMOの『プロパガンダ』というPVのロケ地が鶴見線の「昭和」という駅だったという話を聞いて、その不思議な映像とともに、いつかは行ってみようという思いがずっと心の片隅にあった。忘れたわけではないが、そのわりには、神奈川県民になって数年経つのに、なんだかんだとなかなか行けないでいた。この度、期せずして開業80周年の500円フリーパスが出ていたので、チャンスとばかりに行ってきたというわけだ。

鶴見線開業80周年_f0046622_5412086.jpg 京浜工業地帯は今、ある意味新しい。廃墟ブームの流れなのか、工場萌えというジャンルまで確立し、工場夜景クルーズなる企画が人気なのだという。たしかに、ちょっと映画の『ブレードランナー』っぽい。

 そんな感じを求めて行ってみたが・・・
 日曜日だったせいもあって、閑散とした雰囲気。元々通勤時間帯以外は電車の本数も極端に少なく、2~3時間に1本程度というありさま。廃線直前の田舎の路線より不便だ。一旦降りてしまうと、な~んにもない駅に2時間以上ぽつーんというハメになる。慎重に時刻表とにらめっこし、降りる駅を吟味。残念ながら「昭和」は却下となった。ここで降りても、昭和電工の工場へとつながる出口しかないから



鶴見線開業80周年_f0046622_5414986.jpg 先に進むにつれて、この路線の特殊さが徐々にわかってきた。まず、鶴見駅を除いて全て無人駅。たぶん、定期を使用しない乗客は皆無に近いからだろう。そして最初に降りた浜川崎という駅は、改札を出たはいいが、その先は「JFEスチール(日本鋼管と川崎製鉄が合併)」の工場の入り口で、部外者立ち入り禁止。つまり降りても意味ないのだ。なんじゃこの路線は???時間をつぶすにも周りにはな~んにもなくオマケに寒い。仕方がないので次の電車まで、体育館6コ~8コ分はありそうなドでかい工場を眺めつつ、野良猫をかまって過ごす。

 よくよく周りを観察すると、車内はわたしとおなじような酔狂な方々がちらほら。それもかなり強烈なオタク且つ鉄ちゃんと思われる。もはや外見では性別すら判別し難い人もいて、べつに聞いてもいないのに「自分はいついつどこに行ったが雨が降っていて寒かった」とか勝手に喋ってきて超ウザい。そういうときは相手を見ず、相槌を打たないで、遠くの景色を眺めるに限る。

鶴見線開業80周年_f0046622_1852374.jpg 終点の海芝浦という駅は、なんと東芝工場の構内だった。なので東芝が好意で作ってくれたという、ホームに隣接した小さな公園に行く以外は、外に出られないのだ。

鶴見線開業80周年_f0046622_5594737.jpg う~む・・・ホームのすぐわきを大きな船が通ったり、向こうに工場地帯が見えたりする雰囲気はいいが、出られないというのはつらい。

鶴見線開業80周年_f0046622_5502793.jpg 毎日決まった時間の電車で出勤し、周りにはなにもなく、工場内の食堂でお昼を食べ、勤めを終えて決まった時間の電車で帰る。便利なんだか窮屈なんだかわからない感じに、果たしてわたしは耐えられるだろうか?それとも、慣れれば逆に仕事に集中できたりするのだろうか?


鶴見線開業80周年_f0046622_1913982.jpg 意外にも一番面白かったのが、なにげに降りてみた「国道」という駅。何かのドラマの撮影に使われたと後で聞いたが、セットと見まごうばかりのなるほどと思わせるつくり。
 駅名も、他は京浜工業地帯の功労者である浅野財閥にちなんで浅野駅とか、武蔵白石駅とかでイマイチ面白くないのに比べると、ここは「国道駅」。なんだかアウトローでハードボイルド、ちょっと無機質な感じがいい。


鶴見線開業80周年_f0046622_18583763.jpg 悪役がひと仕事終えて降り立つのがこういう駅だったり、人気ファッションデザイナーの出身地がこんなだったらどうだろう?ミリタリーファッションの撮影にどうか?って二時間ドラマの見すぎ(笑)


鶴見線開業80周年_f0046622_19055.jpg 店舗は全て板でふさがれているが、釣り船屋と不動産屋の奥に電気が点いていて人の気配がする。ものすご~く興味をそそる。
 どう考えてもセットとしか思えない看板。ちなみに入り口は裏ではなく、脇の小さいにじり口のような扉から。茶室仕様なのだ(ウソ)


鶴見線開業80周年_f0046622_1903252.jpg ここから先は事実上、検察も入れない治外法権区域・・・とかだと面白いな。って今は無き香港九龍城かっ(笑)


鶴見線開業80周年_f0046622_20281666.jpg おすい・・・。

 鶴見線の半日散策。それなりには楽しめたが、ちょっと期待し過ぎたかも知れない。ただ、首都圏からすぐのところに、こんなエアポケット的な場所があることには誰もが驚くはずだ。とは言え、全体的には、1回行けばいいかなという感じ(笑)

@niftyの『鶴見線の終点駅めぐり』
by adukot_u3 | 2010-12-28 05:43 | 散歩・旅行
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