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『女と味噌汁』
 女優の池内淳子さんが亡くなった。

 息の長い女優さんだったにもかかわらず、わたしの中のイメージは未だに、子供のころ東芝日曜劇場でやっていた『女と味噌汁』の”てまり姐さん”だ。

 芸者の置屋を舞台にしたドラマで、粋な芸者姿の池内さんはそれは美しかった。そのてまり姐さん、芸者をやりつつもなぜか、ライトバンにずん胴鍋に入れた味噌汁を積んで、白いかっぽう着で酔客たちに味噌汁を売る副業をしているという不思議な設定だ。

 若い芸者の小ももちゃん(長山藍子)やピン子ちゃん(結城美栄子)、置屋を切り盛りするおすがさん(山岡久乃)や金時さん(一の宮あつ子)がレギュラーで、ゲスト俳優が演じるお客さんを中心に毎週何かしらすったもんだするものの、最後にはいつもホッとなごませてくれる。
 おぼろげな記憶だが、そんなドラマだったように思う。

 池内さんはかつて、「お嬢様女優」とか「よろめき女優」とか言われたらしいが、美しくて品があって、芯の強さを感じさせるその雰囲気は、お嬢様とかよろめきとかいう感じじゃないのになぁと常々思っていたが、wikiで生まれが本所となっていたのを見て合点がいった。
 きっと、どっちかと言うとさばさばした江戸っ子の気質に違いない。

 そしてこれもwikiで知ったが、『女と味噌汁』の脚本はなんとあの平岩弓枝さんだった。言われてみれば、実はみんなそれぞれけっこう複雑な事情を抱えつつも、助け合い、和やかに朗らかに生きようとする感じが『御宿かわせみ』と似てるかも。

 ちょっと前に、小林桂樹さんも亡くなられたが、この人の演技でも忘れられないのがある。もうタイトルもストーリーもよく思い出せないが、小林さん扮する主人公(だったかどうかも不明)が、山岳部で一緒だった親友を山で亡くし、責任を感じて、残された唯一の肉親である妹さん(たしか中田喜子)に何くれとなく世話を焼くうちに、好きになってしまうという話だ。

 べつにどうってことのないストーリーだが、そこそこいい年になっている妹さんに、「早く嫁に行け」だのと急かしつつも、なんとも複雑な表情をする小林さんの抑えた演技が素晴らしく、今でも心に残っている。

 当然ふたつともDVDになんてなっていなくて、見ることができなくて残念だが、もしかしたらDVDなんてなくていいのかも・・・と時おり思ったりもする。
by adukot_u3 | 2010-10-02 22:06 | TV・音楽
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