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寝台特急「北陸」・急行「能登」ラストラン!
寝台特急「北陸」・急行「能登」ラストラン!_f0046622_2114963.jpg 寝台列車「北陸」、急行「能登」が最終運転を終えたというニュースをあちこちで見かけた。

 今でこそ空港ができたり、高速バスや新幹線もあったりするが、わたしが子供のころは、東京に行くには、この寝台に乗ってまるまる一日がかり。
それも、途中で乗り換えるは、信州の山越えをするときにはスイッチバックするわで、遥か遠い外国に行くような、そんな一大事だった。

 前にも日記で書いたような気がするが、今でもこの、横に広がった不恰好な寝台列車を見ると、ふと夜中に目を覚ましたときの、狭く暑苦しい車内の人いきれと、枕元のオレンジ色の灯り、カーテンの隙間からのぞいた真夜中の駅名看板と、そこを照らす電灯に集まる蛾の群れを思い出す。



 小学校の低学年のころ、父が亡くなった保険金で多少潤っていたウチは、夏を東京の親戚の家で過ごすことが多かった。
当時、都会のど真ん中の歓楽街で水商売をしていた親戚の家での夏休みは、見るもの聞くもの全てが珍しく刺激的で、今思えば目の毒じゃないかと思うようなこともあったりで、田舎の子供にとっては、それこそ夢か幻を見ているようだった。

 この列車に乗ってひと晩寝ると、誰もが顔見知りの日常から、誰も知らない世界に行けて、ちょっとだけ大人になった気分になれる。そして、ひととき不思議な夢を見て、また日常に帰って子供に戻れる。
わたしにとってこの列車は、夢と現実の間のタイムトンネルだった。

 今回の運転終了は、数年前から覚悟はしていたし、これも時代の流れだから、それほど感傷的になってはいない。
ただ、暗い寝台に横たわりながら、行きは「どんなとこに行こうかなぁ」とか「何しようかなぁ」とか考えたり、帰りは、「あれは面白かったから、帰ったらすぐに○○ちゃんに言わなくちゃ」とか、「これは言うとびっくりするかも知れないから、言わない方がいいかな?」とかいろんなことを考えたり想像するのがとても楽しかったので、飛行機や新幹線でピャーっと行ってしまう今の子供たちはきっと、そんなヒマなことはしないんだろうな・・・と思うとちょっと気の毒な気もする。
大きなお世話だと言われるだろうが・・・。

by adukot_u3 | 2010-03-13 21:02 | 散歩・旅行
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