実家から、冬の味・かぶら寿司が送られてきた。
かぶら寿司とは言っても寿司ではなく、塩漬けしたブリのスライスを、これまた塩漬けした青首かぶらではさみ、麹で漬けたもの。いわゆるなれ寿司の一種だ。
元々は金沢などの加賀地方の郷土料理で、能登地方ではあまりポピュラーではなかったが、食のグローバル化が進み(笑)、最近では、ブリが獲れるところではだいたい食べられている。
例によって子供のころはどこが美味しいのかさっぱりわからず毛嫌いしていたが、お酒を飲むようになって一変した。
ブリが、チャーシューとかボンレスハムのようになり、それとちょっと酸っぱくしんなりとなったかぶら、麹の甘みのコラボがけっこうイケルのだ。見た目も、青首かぶらのうす緑と人参のだいだい色が美しい。
実家からのものは青首かぶらでもないし麹も少な目だが、これでも十分美味しい。ゆずを散らすとまたよし。
わたしはわりと好きだが、発酵系の食べ物なので好き嫌いは分かれるかも知れない。
金沢のかぶら寿司の老舗『四十萬谷本舗(しじまや・ほんぽ)』のサイトにて
正調・かぶら寿司が見れる。
これは進物用なので、かぶらもダイナミックにそのままスライスしてありブリも大きいが、自宅ではそんなに大きなブリは買えないので、かぶらは半分に切ってからスライスしたりと、こじんまり作ることが多い。その方があとで食べやすいし。
この『四十萬谷本舗』、地元では昔からTVコマーシャルでもおなじみで、屋号だとばっかり思っていたら、社長が
四十萬谷さんだった。ビックリ!
同じく金沢の老舗、『森八(もりはち)』の
「千歳(ちとせ)」。
これは、独特のねっとりしたあんこを求肥で包んだ上品で美味しい和菓子だが、なぜかこれのことも『千歳鮓(ちとせずし)』と言うらしい。