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永井愛 講演会
 劇作家、永井愛さんの講演を聴きに行った。
以前観た、『パートタイマー秋子』と、『歌わせたい男たち』という作品がとても面白かったからだ。

 この講演は、新宿に人形劇の常設劇場を持つ「人形劇団プーク」が、創立80周年を記念して行った催しで、わたしはネット上で何かの拍子で知ってしまった。
「無料」「一般参加可」と書いてあったので気軽に行ってみたら、ほとんどが劇団の関係者で、微妙な居心地・・・。どうりで人形劇団のサイト以外に告知がないわけだ(^^;

 永井愛さんについては、劇作家であること、『ふたりっこ』や『功名が辻』などの脚本家として知られる大石静さんと、かつて2人だけの 劇団・二兎社をやっていた(現在は永井さんひとり)ことぐらいしか知らなかった。
この講演をやることも、単に演劇つながりなだけだと思っていたら・・・なんと、永井さんのお父さんは画家で、そのお父さんと「人形劇団プーク」の指導者の方は、1940年、治安維持法違反容疑で「臭いメシ」を共にした仲。

 そしてそして、お婆ちゃんは・・・



あの参議員で婦人運動家の※市川房枝さんと、女学校時代からの友達!
はぁ~っ、なんだかスゴい・・・。

永井さんの 『見よ、飛行機の高く飛べるを』という作品には、明治時代、男性と親しげに会話しただけで退学になった同級生を救うべく、授業ストライキを決行する女学生たちのことが描かれているが、これは市川房枝さんとお婆ちゃんたちがやった実話を戯曲化したものだそうだ。納得。

 永井さんの作風は社会派と言われたりする。
たしかに『パートタイマー秋子』では、スーパー側から賞味期限改ざんを迫られる元・部長夫人で今レジ係の秋子の葛藤をコミカルに描きつつも、人の倫理観の危うさを、『歌わせたい男たち』では、君が代を歌わせようとする校長と、歌いたくない教師との攻防を面白おかしくちゃかしつつも、憲法にある内心の自由という壮大なテーマを扱っている。
それなのに説教くさいセリフは一切ない。
一切ないけれども、爆笑したあとにははからずも、いろんなことを考えされられる。

 講演プログラムには「考えるエンターテインメント」とあったが、まさにその通り!
永井さんの芝居を観ると、世の中のあたり前とされていることがなぜ当たり前なのか?を改めて考えさせられる。
世の中には、難しいことを難しく、また易しいことを難しく言う人はたくさんいるが、難しいことを易しく言いながら難しいことを考えさせる人は、そうはいないと思う。

 講演の中で語られた「おかしみ」「人ざわり」という言葉が妙に耳に残る。
理屈ではなく、皮膚感覚の社会派なのだ。

※民主党の菅直人さんは、かつて市川房枝さんの選挙事務長をやっていた。
by adukot_u3 | 2009-10-25 18:43 | 演劇・演芸
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