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さいたまシティオペラ『カルメン』
さいたまシティオペラ『カルメン』_f0046622_138303.jpg さいたまシティオペラ『カルメン』を観てきた。
御年76才になる、友達のお父さんが出演したからだ。
出演と言ってももちろんメインキャストではなく、「街の人」「盗賊のひとり」「見物人を取り締まる警察官」の役だ。

 「さいたまシティオペラ」は、音楽家とオペラ好きのアマチュアによって作られた「浦和市民オペラ」を前身とするもので、メインは二期会会員など、蒼々たるメンバーを揃えつつも、脇の民衆の役には、実際の市民を使うという演出で、もう創立25周年という歴史ある公演なのだ。

 数年前、演出家の蜷川幸雄さんが、彩の国さいたま芸術劇場芸術監督に就任し、「さいたまゴールド・シアター」なる高齢者の演劇集団を作ったことが話題になったが、さすが!ダ埼玉の中でも昔から文教地区と言われた元・浦和市(現・さいたま市)。その基礎は25年以上前からあったのだ。

 さいたまシティオペラ『カルメン』_f0046622_1383825.jpg お父さんの演技は、さすがにちょっと固かったが、一生懸命やっているところがとても好感がもてた。
今回出演することになったのは、特別オペラ好きだからと言うわけではなく、定年後の趣味で通っていた合唱団の先生のところに欠員補充の打診があり、いわゆる借り出される形になったらしい。
それでも76才で、こんなことが出来るのか・・・わたしはなんだか元気が出た。

 聞けば、稽古を開始したのがかれこれ1年前。
それ以来、オペラのいろんなDVDを借りて観たりして、勉強していたそうだ。
う~む・・・やはり真面目なのだなぁ。
電話したときなど、たまたまお父さんが出ると、いまだに必ず、「いつも○○がお世話になってます」と挨拶される。もう何回も会っているのに(^^;



 市民参加型とは言え、堂々3時間を超える大作は、聴き応えじゅうぶんだった。
が、初めて聴いた日本語のオペラには、少々違和感を感じた。
メインキャストはプロの歌手の方々なので、その声には文句なく大絶賛なのだが、どうもメロディーに日本語が乗り切らないのだ。やはりオペラと日本語はあまり相性がいいとは思えない。
と言っても、生で聴いたのは、何年か前にイタリアのオリジナルキャストを招待したとある公演を、思い切って!天井桟敷のような席で3万8000円で聴いた1回こっきりなわたしの、しがない感想なのだが。

 そのときは、脇に電光掲示板のような字幕スーパーがあったので、かろうじて意味はわかったが、「原語で聴いてもわかんないし・・・」とずっと思っていた。
しかし、実際に日本語で聴いてみると、セリフが一言一言ハッキリと聴き取れるわけではないので、これだったらムリに日本語でなくても、雰囲気がわかるぶん原語&字幕の方が聴きやすいのではないかと思う。
ただその昔、浅草オペラというのが人気だった時代もあるので、日本語訳の妙というものも、またあるのだろうが。

翻弄されるホセと、カルメンを見ていてふと、数年前に亡くなった伯母のことを思い出した。
生まれたばかりの子供を田舎に置いて東京に行って以来、身内とのつきあいを一切絶ち、数々の浮名を流した後、資産家の内縁の妻として人生を終えた彼女が、生前、オペラ好きでもないのに、これだけは聴きに行ったというのがこの『カルメン』だったのだそうだ。
これを聴きながら、何を思っていたのだろう・・・。
by adukot_u3 | 2009-09-13 13:08 | 演劇・演芸
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