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金蔵 万燈会(かなくら・まんとうえ)
金蔵 万燈会(かなくら・まんとうえ)_f0046622_20232649.jpg 金蔵 万燈会という催しに行ってきた。
金蔵地区は、能登半島の真ん中あたり。
わたしは車でここを通過したことしかないが、ほんとに山の中で、ここが名前のついた集落だということすらわからないぐらいのところだった。なんでもここは、室町時代に全村焼き討ちにあっていて、万燈会とは、その霊を慰さめるためのものなのだそうだ。

 最初はこじんまりとやっていたが、能登半島地震があってからは、その復興と町おこしを兼ねたイベントとして、徐々に規模も大きくなっているらしい。
とは言え、だいたい町おこしのイベントと言えば、ショボいに決まってるし、噂によると、お酒のワンカップにろうそくを入れたものを道端や広場に並べるだけということだったので、あまり期待はしていなかったが、たまたま時間が空いたので、友達数人とそのお母さん、近所のおばちゃん達を連れて行ってみた。

 杉の木の間をくねくねと走る真っ暗な林道を車で行くこと20分。
この道はほんとにどこかに続いているのかと不安になりかけたころ、灯りが闇のなかに忽然と現れた。たしかに、ろうそく入りのワンカップがただ道端に並んでいた。

 「なんだ、やっぱりショボい」と思っていると、本会場はもっと先だという。
車を誘導する赤い棒が見えた。でもそれを持っている人が良く見えない。
そんな暗闇の広場に車を止めて、細い細い道をおっかなびっくりつまづきながら進んで行くと、急に視界が開けた。

金蔵 万燈会(かなくら・まんとうえ)_f0046622_20233423.jpg 黒い山に囲まれた、広い里一面に、灯りが揺れている。
「ぽっか~ん・・・」
あんまりビックリして、しばらく口を開けっぱなし。
ゆるやかな棚田の稲が、あぜ道沿いの灯りに照らされて、うっすらとみどり色の光を放っているのだ。

 「わあ~っ」思わず声が出る。
幻想的とかそういうのとはまた違う、不思議な感覚だった。
子供のころ、「いつか急に知らない村が現れるんじゃないか?」そんなかすかな期待を抱いて、探検と称してみんなと山奥の知らない道をずんずん進んで行ったことがあるが、その先に、ほんとうに知らない村が現れ、ビックリしてのぞいているような、そんな感じだ。

「あーーーーっ!!!」デジカメ忘れた(T_T)
「何のために持って来たの?バッカじゃないの?」
でも、この美しさはわたしの安いデジカメじゃ撮りきれないかも知れないし、明日の新聞にはどうせ、きれいな写真が載るだろうし。そう思ってなんとか気持ちをおさめた。

それなのにそれなのに、新聞には境内の写真しか載っていなかった。
「どーゆーこと?????」
あの、あぜ道の美しさを載せないなんて、カメラマンどうかしてるっ!
ま、デジカメ忘れたわたしが悪いのだが・・・(^^;

万燈会はあちこちにあるが、棚田を照らし出せるロケーションは、そうそうあるものでもないだろうと、身びいきにも思ってしまうほどの美しさだった。
来年も必ず行こう!と心に決めた。

NPO 金蔵学校HP
by adukot_u3 | 2009-08-21 20:24 | 能登半島
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