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『私たちは何も知らない』作・演出 永井愛
2020年2月8日土曜日。石川県七尾市中島町にある「能登演劇堂」で上演された劇団二兎社公演『私たちは何も知らない』を観た。
能登演劇堂は、俳優の仲代達矢氏が主宰する「無名塾」が中島町で合宿を行っていたことが縁で設立された、能登唯一の演劇専用劇場だ。

明治の末期から大正の初め、平塚らいてう(らいちょう)をはじめとする女性たちが「青鞜社」という団体を作った。
『私たちは何も知らない』は、彼女たちが機関誌『青鞜』の編集・出版を通して女性の社会的地位向上のために情熱を燃やした5年間の日々を描いている。

ちなみに機関誌の「青鞜」という名前は、18世紀のロンドンでフォーマルな黒に対して青い靴下を身につける事が、教養ある婦人グループのシンボルだった事から"Bluestocking"を和訳して命名されたとのこと。

平塚らいてうと言えば、女性解放運動の先駆者ということと「元始女性は太陽であった」という言葉しか知らなかったが、活躍したのは明治~昭和にかけてで、「元始…」は青鞜の創刊号で平塚らいてうが書いた言葉だったことがわかってスッキリした。

らいてうは官僚の娘でありいわゆるお嬢様。年下の男と同棲したり心中未遂事件を起こしたりと、今の時代で考えてもかなりなお騒がせだ。
実は「青鞜」はたった5年間しか発刊されてない。その間に彼女たちは恋をし、子供を産み、別れたり不倫などしながら「青鞜」を出版し、女性を覚醒させるべく奮闘する。なんだか観ていて目が回る。
らいてうが八面六臂なんだろうと勝手に思って観ていたら、途中から売れない画家と暮らし始め、「青鞜」が伊藤野枝に引き継がれたところであれっ?梯子外された感が。
でも、よくよく考えたら、らいてうはお嬢様だったよ。
お嬢様のフェミニストだから執着とか業みたいのがないんだな。
引き継いだ伊藤野枝はその後、結婚するが離婚し「青鞜」はおしまい。
(芝居ではその先は描かれていないが調べたら、最後はアナーキスト・大杉栄のもとへ。そして二人ともに憲兵に殺されるという最後。激しすぎ)

今はみんな、好きな仕事に就いて、好きな人と結婚して、とりあえずは自分の意志で生きている。
それが元からそうだったかのように錯覚しがちだが、昭和の初めまでは、結婚の自由はおろか女性の仕事というものがなかった。
姦通罪に問われるのは女性だけで、それを何とかしようにも、肝心の選挙権すらなかった時代なのだ。
考えただけで理不尽すぎて腹が立つ。

らいてうさんや野枝さんらが熱く目が回るような日々を過ごしたおかげでわたしたちは今、自由な日常を「普通」に過ごしている。
わたしが彼女らと同じ時代に生きたとしたら、どういう生き方をしただろうか。
今と同じように腹を立てるだろうか。

*    *    *    *

らいてうさんと同じ時代に活躍した市川房枝さん。白髪の国会議員のおばぁちゃんとしかわたしの記憶にはないが、永井愛さんのご祖母様が通っていらした女学校の一級下だったそうだ。すいぶん前に世田谷パブリックシアターで観た『見よ、飛行機の高く飛べるを』で描かれていた。

# by adukot_u3 | 2020-03-14 16:27 | 演劇・演芸
ソ連VSアメリカ(ロケット編)
石川県羽咋市にある宇宙科学博物館『コスモアイル』に行ってきた。
あんまり期待しないで行ったらすごいのがあってビックリ!!
ガガーリンが乗って人類初めて月に行ったソ連のロケット『ボストーク』。これがホンモノ!!
アメリカのロケット『マーキュリー』は、レプリカだけど全く同じ素材で造られている。
それらが全く無造作に、そのへんにポンと展示してあるのだ。
みんなもっと騒いでイイんじゃない?
と思いつつひとり早足でぐるぐると何回も見て回った(笑)
ソ連の『ボストーク』とアメリカの『マーキュリー』との違いが非常に興味深い。
『ボストーク』は丸くてコックピット内も割と広い。壁が白いキルティングみたいので覆われてて、ロケットとは思えないキュートさ。
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対する『マーキュリー』はいかにもロケット然とした形で、コックピット内の操縦士は計器類に埋もれてキューキューして見える。
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この違いが本当に不思議で面白い。
他にもUFO系の展示や宇宙人の等身大人形とか色々あって、売店では宇宙食も売っている。
こういう系が嫌いじゃない人なら1時間半は楽しめる。
おすすめ。

『コスモアイル羽咋』
開館時間:8時30分~17時(入場16:30)
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌平日休館。7月20日~8月31日無休)
料金:800円(展示+プラネタリウム型映画館『コスモシアター』)

# by adukot_u3 | 2017-12-26 17:48 | 散歩・旅行
レストラン『ふらんじゅ』
能登・門前町にあるお気に入りのフレンチレストラン『ふらんじゅ』が閉店した。
ここに来てランチを食べてホッとしたり、お茶を飲んだり…顔見知りばっかりの息苦しい日常から抜け出したい時、このお店のスタッフとの何気ないお喋りは、フッと肩の力を抜いて気持ちを楽にしてくれた。
それなのに、わずか1年あまりで閉店とは…。
どんな事情かは知らないが、急に人生の曲がり角を曲がらなくてはならなくなったスタッフの方々の、この先のご多幸を心からお祈りする。

お店はコンセプトを新たにリニューアルされるとのこと。
能登の活性化につながりますように。
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# by adukot_u3 | 2017-08-02 00:27 | グルメ
ウクレレオーケストラまつり2017
私が所属している「ウクレレファニーオーケストラ」、略して「UFO」が金沢の県立音楽堂で行われた「ウクレレファニーオーケストラ2017」に参加した。
UFOはまだ結成して2カ月のひよっこオーケストラだが、結成8年を迎える「金沢ウクレレオーケストラ」、能美市を拠点とする「nomilele(ノミレレ)」、「ウクレレシニアオーケストラ」の各オーケストラとも競演できて爽快なひとときだった。

金沢ウクレレオーケストラは、ベートーベンの「田園」をウクレレアレンジで演奏したりしてさすがの貫禄だし、ノミレレもシニアもそれぞれ持ち味が違ってて面白い。UFOも、UFOらしいカラーを纏った演奏ができるといいなぁ。

今まで演劇や映画、読書など、趣味は多いものの、受け身なものが多く、機会があったら自分のレベルアップを実感出来るような趣味を持ちたいなぁ、できれば年をとっても続けられるような。と、ずーっと考えていたけれど、見つかってよかった。
気長に頑張ろっと。
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# by adukot_u3 | 2017-01-31 13:43 | TV・音楽
クリスマスコンサート
羽咋市にあるカフェ・オハナは、ウクレレファニーオーケストラの拠点。
もうだいぶ日にちが過ぎてしまったが、こじんまりとクリスマスコンサートをやった。
なかなか練習に参加できなかったので、個人的に出来はいまいちだったが、みんなでウクレレ弾いて歌うのはほんとに楽しい。
全然知らなかった人たちとウクレレを通じてつながるのも、自分の世界が広がっていいんだなぁ。
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# by adukot_u3 | 2017-01-31 12:54 | TV・音楽