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マイ箸はホントにエコなのか?
f0046622_1858855.jpgエコのためにマイ箸を買った。
実はエコとか関係なく、単にこういう携帯モノが好きという理由もある。
旅先でスプーン・フォーク付きのアーミーナイフを使うときなんてワクワクする。

かつて「森を破壊する」と言われていた割り箸が「間伐材で作ってるから林業のためになっている」と言われるようになり、じゃぁマイ箸なんて要らないんじゃんと思っていたら、「今は割り箸を作るために木を伐採しているからやっぱり森を破壊している」と言う。

買ったはいいが、ホントにそうなの?と怪しく思えて来た。
せっかく買ったマイ箸が、エコにつながらないんじゃ意味ないので、そのへんハッキリさせるために、実際どうなのか調べてみた。

膨大な日本の割り箸消費量
  • 消費量 年間230億膳(1人当たり約200膳/年)
  • 木の種類 カバ、エゾマツ、アスペン、シラカバなど北方木材(熱帯林を破壊していると非難されがちだが、熱帯林は組織が弱くすぐ折れてしまうので使われない)
  • 単価 3~4円/1膳
熱帯林が使われてないとは意外だった。
でも、安い店ですぐ折れるやつあるけど、あれが熱帯林なのかな?
1人で2日に1膳以上って使いすぎだな、やっぱり。
単純に考えても、日本の林業の間伐材でまかなえる量じゃないのはわかる。

国産割り箸は総需要の6%
「間伐材を使ってるから森が破壊されず、逆に林業に寄与している」というのは、国産の場合に限ってはあながち間違いではない。
でも、その国産のものは杉や檜を使った高級品(数十円/1膳)しか採算が取れなくなっている。
ちょっと高いお店で見かける「天削(てんそげ)」という、箸のてっぺんがナナメってるあれだ。
国産割り箸は総需要のわずか6%にしかならないらしい。

日本の割り箸はほとんどが中国産
ファストフード系の外食産業やお弁当屋さんが増えて、日本の割り箸消費量も激増。
ほとんどが安い中国製の割り箸となっている。
中国ではコストを下げるために、手間のかかる間伐材を使わず、木を一斉に伐採して丸ごと割り箸にするので、供給する限り中国の森林は破壊され続ける。

百歩ゆずって丸ごと割り箸にするとしても、ちゃんと植林でもすれば、ゆくゆく割り箸がダメになったとしても木材として売れる資源になるんだから、産業としては成り立つのに。
でもまぁ、あの広い国土であの国民性には、数十年先のためにちまちま植林するという発想が馴染みじくいのも容易に想像できる。
植林事業も立ち上がってはいるものの、成果はほとんどないらしい。

でまた、日本向けに作った割り箸の中のいわゆる傷モノが中国国内に出回って、そのせいで今まで割り箸を使わなかった中国人までが使うようになって、さらに割り箸需要が増大⇒森林破壊促進という事情もあるらしい。はぁ~。

森には、洪水を防いだり、渇水を緩和したり、水を浄化したり、土砂の流出を防いだり、地球温暖化を防いだり、憩いの場を提供したりと様々な機能がある。
このまま行けばそれらを失ってしまうことは、普通に考えればわかることなのに、目先の利益の前に思考が停止し、

貧困→外貨獲得のため資源を輸出→環境破壊→生産力低下┐
 ↑                                     │
 └←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←┘

このループから抜け出せなくなる。
心理学では「否認」(不利な事実を見ようとしないで正当化すること)と言うらしい。(「否認」の心理/秋田県立リハビリテーション・精神医療センター)

結論
結局のところ日本の割り箸は、コストに負けて間接的に他国の森を破壊しているのが現状だ。
割り箸がダメだと言うわけではなく、お惣菜やカップラーメンやら、なんでもかんでもにやたらと割り箸をくっつけるのが問題だと思う。
でもこの風潮はそう簡単には変わらないだろうから、やっぱりマイ箸は携帯することにする。

マイ箸がホントにエコかどうかはともかく、個人的に使い捨てという発想自体があんまり好きじゃない。
ましてや何十年もかけて育った木を、いっときモノを食べるために使ってあとは捨てるのは気が引ける。
うちでは仕方なく使った割り箸は、せめてもの抵抗として焼き魚用に使い倒してから捨てている。

でも、便利な割り箸がここまで浸透してしまうと、この先例え日本の林業が栄えたとしても、その間伐材だけでまかなえる量に留まるわけがない。
テーブルにちょっと水がこぼれただけで、2枚3枚と平気でティッシュを使ったり、デパートのトイレのペーパータオルを何枚も使う人を見ていていつもそう思う。
べつにとりたててエコを気取っているわけではなく、多分に田舎者なのと、明治生まれの厳しい祖父の下でハタかれて育つと嫌が応にもこうなってしまうのだ。

森林破壊と原発は似ている
この状態、目先の経済に目がくらんで、このまま行ったらどうなるかを考えないのって、まさに原発とソックリ。
木材は、植林費用込みが本当の値段なのに、安くするために後々の山林の危険を無視した値段で資源を切り売りしている。
一方、原発は廃炉や万が一の賠償費用込みが本当の値段なのに、安くするために安全神話を作りあげて、未来を切り売りしている。
この2つに限らず、わたしたちはあらゆる局面でこの超えてはいけない一線を超え過ぎて、もう戻れないところまで来てしまったなぁと思う。

なんか「マイ箸がエコなのか?」を知りたかっただけなのに、すごいとこまで来ちゃったな。


参考サイト
割り箸から見た環境問題 2006/東京三四郎(環境問題の解決を目指す東大の学生・卒業生を中心とした団体)
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by adukot_u3 | 2013-02-18 18:57 | 環境