首相にすら真実を知らさない国、日本。
ドイツのZDFテレビというところが制作した『フクシマの嘘』というドキュメンタリー。
ありがたいことに、字幕に、書き起こしまでして下さった方がいる。
これは30分弱と短い上に、今までの経緯がぎゅーっと詰まっていて、必見。

※書き起こしたものを読みたい方は放射能メモサイトへ。


◆首相にすら知らされない真実
あのとき政府は「メルトダウンしていない」と言った。
嘘ではなかった。
なぜなら、ホントに知らされていなかったから。
菅首相は非常事態について、ほとんど情報を得ていなかった。
東電を信用できない彼は、自分の目で確かめるためヘリコプターで視察した。
福島第一の爆発もテレビの報道で初めて知り、その後1時間以上経っても説明が一切なかった。
しかし、3月11日の夜すでに、3つの原子炉でメルトダウンは起きていた。
日本には、首相にさえ事実を知らせない原子力ムラというネットワークが存在する。


◆安全は偽装する
長年、原子炉のメンテナンスに携わり、福島原発にも何度も来ているエンジニア、ケイ・スガオカ氏は、第1号原子炉の重大な欠陥を隠し、改ざんした報告書を書くように要求されていた。
原発の安全は、事実を歪曲して作り上げた幻想だった。


◆邪魔者は消す
18年間福島県知事を務めた佐藤栄佐久氏の所には、スガオカ氏を含め、原発で働く情報提供者から告発のファクスが届いていた。
佐藤氏が書いた新聞記事で、東電が重大な事故を隠蔽し、データを改ざんし、福島では30年も臨界事故を隠してきたことが発覚した。
当時の社長・幹部は辞任、社員は懲戒を受けたが誰も起訴はされず、一番の責任者であった勝俣恒久氏は代表取締役になった。
2004年、佐藤氏に不正な土地取引があるというでっちあげ記事が新聞に載った。
弟が逮捕、県庁で働く200人の職員にも圧力がかかり、自殺者も出た。
佐藤氏は辞任した。(後に無罪が確定)


◆批判はシャットアウトする
原発の危険性を語る大学の研究者には、出世のチャンスは絶対に回って来ない。
政治家はあらゆる援助を電力会社などから受け、原発を推進すれば、多額の献金が入る。スポーツやマスコミを含む文化に関しても同じ。
原発のある地方の行政にも情報を与えない。
万が一の準備も一切ないのに原発批判が全くない環境(=原子力ムラ)は、国全体にはびこっている。

自らもガンで亡くなったジャーナリストの筑紫哲也氏が、最後の多事争論で「日本はガンにかかったようなもの」だと言っていた。
ガンは、エネルギーや栄養がガンとの闘いに使われてしまって、本来人間が生きていくのに必要なところに回らなくなり衰弱する。
あぁ筑紫さんは、きっとこのことを言ってたんだろうなと今になって思う。


◆原発事故の本当の原因
マグニチュード9(阪神・淡路大震災はマグニチュード7.3)。
津波は場所によっては高さ30メートル。
福島第一の防波堤は6メートル。
本来、原発は標高35mに建てられる予定だったが、海水をくみ上げやすいという経済的な効率を理由に10mになった。
その地下に置かれた非常用発電機は津波で水没。いくら外部電源があっても全く意味がない。(電源が地下にあるのは、米国式の設計が竜巻やハリケーン対策を重視しているため)
東電や監査当局は警告を無視し、立地場所すら変更していたのだ。
菅氏は「原発事故の引き金は津波だったかもしれないが、最大の問題点は、”責任者が当然しておくべき対策をしなかった”こと」だと言う。


◆福島原発のいま
東電と政府は安全だと言っているが、実はとても危険な状態にある。
4号機はボロボロに損傷した上に、約1300本の使用済み燃料が冷却されていて、上の階には新しい燃料棒も保管されている。非常に重い機械類もあり、もう一度大きい地震が来れば建物は即崩壊、新たな臨界が起こると言われている。


◆もしも地震が起きたら
東大地震研が発表した地震予知によれば、75%の確率で4年以内に首都を直下型地震が襲うと予測されている。地震学者の島村英紀氏曰く「今の原発では強度不足。地震で原発が壊滅する確率は高い」。


記者からの質問
「原発を日本で稼動させるだけの心構えが東電にできているとお考えですか?」
東電災害対策部責任者の答え
「(長~い沈黙の後で)それは答えるのが難しいですね」
これが最も真実を物語っていると思う。

震災から1年が経って、再稼動する動きが高まっているが、政府はとにかく再稼動ありきで、前のめりになってる感がアリアリだ。
電力会社の対応ができていない項目もあるのに、それを外して「ハイ、安全基準案」ですって、いったいなに考えてるんだか。

原発問題は全然終わってない。むしろ、相当な危機的状況が今も続いている。
まずは4号機の使用済み燃料を移動させないと。でもそれには、数年はかかるらしい。
その間にもし大きな地震が来たら・・・関東一円は避難区域になる。もう日本はおしまいなのだ。
それぐらいの放射線がばらまかれるってことだ。
わたしたちはまずそれを自覚する必要がある。

関西の水源である琵琶湖を擁する滋賀県の嘉田由紀子知事は、「絶対安全だと確証が取れるまではイエスと言えない」と言っているが、これが首長として当然の反応だと思う。

世の中、みんなが笑って暮らせるとは思わないが、理不尽に悲しむのは一人でも少ない方がいい。
ましてやこれは人災なんだから。
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by adukot_u3 | 2012-04-08 17:12 | 震災・原発
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