韓国ドラマ『風の絵師』(途中ネタバレ)
韓国ドラマ『風の絵師』、いやぁ、面白かった!
でも、少々物足りない気が…20話で物足りないなんて、カンペキ、韓国時代劇に毒されてる。

時代は18世紀の李氏朝鮮。
国の行事や王室の絵を描く「図画署」という部署を中心に描かれている。
今で言うと、報道記録係と文書管理係を足したみたいなものか?

そこに実在した2人の天才画員、キム・ホンドとシン・ユンボク。
歴史上は2人とも男だけど、ここではユンボクが女だったという仮定のもと、男しか入れない図画署に、男装して潜入しているというところから始まる。

公式サイトでは、ふたりの愛と運命の物語と書かれてはいるが、そういう訳で、話の半分ぐらいまでは男同士で、男の方はそれを知らないという、まぁ普通ではあり得ないような、ちょっと宝塚チックな設定だ。
それに、実はボンドはユンボクの亡くなったお父さんの親友なので、年が親子ほども離れている。しかもホンドはそれほどイケメンでもない。いわゆる韓国ドラマにありがちな愛の物語とはちょっと毛色が違う感じ。

おまけに実は女性のユンボクと、美しい妓生(キーセン=芸者さん)が恋におちる。
彼女はカヤグムという琴の先祖みたいな楽器の名手なのに、どんなに一生懸命弾いたところで、酒席の男たちはろくに聴きゃしない。
そんななか、唯一演奏をほめてくれたユンボクに心を奪われちゃったのだ。
芸術家同士、シンパシーを感じるところもあったのかも知れない。

ところでこのカヤグムという楽器。
韓国時代劇の酒席では必ず出てくるもので、♪びよぉ~~ん、というなんか弦が緩んだみたいな音で「チューニングはこれでいいのか?」といつも気になっていた。
でも、いつ聴いても♪びよぉ~~んなので、これはこれで合ってるらしい。
気になりついでに調べたら、新羅琴という名前で、奈良の正倉院にも保管されてるらしいことがわかった。へぇ~。

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼この部分ネタばれ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
妓生は、後々ユンボクが女だったことを知ってショックで寝込んでしまう。罪作りなユンボク…。
でも、ユンボクが男装してまで図画署に潜入した理由というのが、かつて同じ図画署の画員だった父親の死が、陰謀によるものだったことを暴くためで、実は命がけのことだったのだ。

その後、ホンドとユンボクは、敵の悪事を白日のもとに晒して問題を解決し、師弟愛とか同士愛のようなものは、次第に愛情へと変わって行く。
二人のお陰で自由の身となった妓生は、気持ちは変わらないことをユンボクに言い残して、旅立って行く。

さて、ホンドとユンボクはハレて結ばれるのかと言うと、そうでもなく、最後は三者三様、いわゆるハッピーエンドとは違う微妙なところに着地。
でも、わたしは意外とこういう結末好きだな。
そう言えば、実在した妓生を描いた『ファン・ジニ』もそんなような終わり方だった。
韓国ドラマ見ない人には、チンプンカンプンだろうけど…。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

『ファン・ジニ』のハ・ジウォンさんも妖艶でキレイだったけど、ここで妓生やってる、ムン・チェウォンさんがまた超キレイ。
韓国時代劇を見始めた頃は、このモリモリした髪型のどこがいいのかと思っていたのに、今や見慣れてしまって「豪快でいいなぁ」とすら思ってしまう自分がコワい。
そして、その妓生にゾッコンで身受けまでした悪党リュ・スンリョンさん、勘三郎さんに似すぎ

主役・ユンボクのムン・グニョンさんも、何も知らなければ男装は凛々しく、途中の女装(?)もキレイなんだけど、ソン・スンホン様主演の『秋の童話』での子役を見てるので、「大きくなったねぇ」という親戚のオバちゃんみたいな感想の方が先に立ってしまう。「安達祐実ちゃん大人になったね」みたいな感じ。

日本の時代劇って、ヒーローが悪者を成敗するパターンのはたくさんあるのに、こういうお城の中の、特殊な部署がクローズアップされるのってあんまりないのはなんでだろう?一話完結か、時代劇スペシャルしかないからかな。

韓国時代劇だと、例えば『チャングムの誓い』なら、王室の料理番や医局など、けっこうマニアックなところが舞台になったりするのに。
料理番のときは、3分クッキングみたいなことをしてみたり、医局のときは、ツボや体のしくみ、漢方薬の話など、『おもいっきり…』とか『あるある…』みたいな小ネタが出て来たりして、ストーリーの中のちょっとした箸休めになって楽しい。
この『風の絵師』でも、2人が描いた本物の名画が随所に出て来て、描き方や鑑賞の仕方を解説したりするのが『鑑定団』や『日曜美術館』みたいで興味深い。

他にも、女性たちを普段の家事から解放するために、山の中で男子禁制の場所を作って、女性たちだけで温泉に入ったりブランコで遊んだりして、のんびりするという不思議な行事が出てくる。
入り口には男が入らないように護衛官が付いているので、どうやらちゃんと決められた行事っぽい。今で言うと、母の日に日帰り温泉に行くみたいなもんなのかな?

韓国ドラマは、こういう、観る人を飽きさせないしかけが上手いなぁと思う。
ただ、視聴率がいいと、ストーリーの整合性よりもドラマを続けることを優先するから、急に不自然に誰かが死んだり留学したりして、ヘンなところもたくさんあるけど。

日本のお城の中にだって、いろんな部署があったんだろうから、こういうちょっと変わったところが舞台のドラマがあってもいいのに。
そしたら時代劇も少しは人気が出るんじゃないかな。
わたしが知らないだけで、もうあるのかも知れないけど。

ただいまのわたしの中の韓国時代劇ベスト3
1.王と私
2.朱蒙(チュモン)
3.風の絵師

[PR]
by adukot_u3 | 2012-02-11 01:04 | 韓国ドラマ
<< IMF(国際通貨基金) ミュージカル『エリザベート』20周年 >>