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『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』
『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』_f0046622_15565190.jpg FILLIERSに続いて、またまた珍しい酒をもらった。その名も『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』。

 世界を流浪する旅先で暗殺され亡くなった、オーストリア・ハプスブルグ家悲劇の王妃『エリザベート』の肖像をラベルにした宝塚版の特別仕様だ。
 『エリザベート』は、今や『ベルサイユのばら』を凌ぐほどの宝塚歌劇のドル箱演目。これは、わたしがエリザベート&ハプスブルグ家フリークであることをよく知っている友達が贈ってくれたものだ。

 なんだか昔からある男性用の整髪料みたいな名前だなぁと思いつつなにげに飲んでみると・・・お、お、おいしいーーーーっ!!!かなりな甘口だが、その上品な甘さと芳醇な香りはただものじゃない。そのぐらい、ワインに詳しくないわたしにだってわかる。一体このワインは何者なんだ!

『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』_f0046622_15564084.jpg 早速ググッってみると・・・なんとこれがあの、聞いたことはあるけど、どんなものかは知らなくて、機会があったら是非飲んでみたいと思っていた「貴腐ワイン」というものだった。
 貴腐ワインとは、貴腐菌という菌によって水分が抜けて干し葡萄のようになったものを使った、糖度の高いワインのことで、わたしが感じた芳醇な香りは、この貴腐菌が醸し出すものらしい。
 ちなみにアイスワインは、貴腐菌ではなく、水分が凍ることで糖度が高まったワインのことを言うのだそうだ。

 ワインと言えば、だいたいフランスと思いがちだが、実はオーストリアもかなりのものらしい。その割にあんまり知られていないのは、過去にワインスキャンダルがあったとかで、それ以来、ワインマーケットから取り残されていたからだ。早い話が干されてたっちゅーこと。その後、汚名返上のために、ワインに関する法律を世界一厳しいと言われるほどに改正し、今に至っている。
 おかげで首都ウィーン南東に位置するブルゲンラント州のノイジードラー湖畔で作られた貴腐ワインは、世界最高の品質と言われるまでになった。


『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』_f0046622_15571859.jpg そういえば、ウィーンのリーズナブルなレストランでは、ワイングラスなのに、ここまで入れなさいとばかりに─○○mlという小さな目盛りが一箇所だけついていた。過去に、量をごまかす業者がいたせいで取り締まりが厳しくなり、その名残が今も続いているのだと聞いた。音楽の都という華やかな顔と、こういう無粋なほどの厳格さが共存しているところがまた、ウィーンのステキなところだ。

 『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』を調べてみると・・・
「ノイジードラー湖畔で作られた(ノイジードラーゼ)、選び抜かれた(アウスレーゼ)乾燥した(トロッケン)葡萄の実(ベーレン)で作られたワイン」という意味だった。
 とあるネットショップには、“『ワインの帝王』とも呼ばれ、古くから食通の垂涎の的となってきた貴腐ワイン。食後のデザートワインに最適”と書いてあった。ちょっとナットク。

『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』_f0046622_1557582.jpg しかし、貴腐ワインというものが、こんなに美味しいとは知らなかった。ウィーンの郊外には、出来立てのワインを飲ませる「ホイリゲ」と呼ばれる居酒屋がたくさんあるが、あの時なぜ行かなかったのかホントに悔やまれる(;_;)
お正月のお屠蘇はこれに決定!


『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』_f0046622_12241016.jpg← 『ノイジードラーゼ・トロッケンベーレン・アウスレーゼ』のオリジナルラベルはこれ。上品で美しい。
by adukot_u3 | 2010-12-20 15:35 | グルメ
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