ふと気づくと、9月1日は映画の日&水曜レディースデイだった。
珍しいアルゼンチン映画だし、おすぎさんが前々からすっごくホメていたし、ネットでの評判も良かったし、アカデミー賞外国語映画賞も受賞したらしいし、ということで久々に映画館に行った。
この作品は、刑事裁判所の元書記官である主人公が、退官後にかつて自分が関わったある事件を小説に書いていくうちに、深みにはまっていくが・・・という話と、思いを寄せていた女性上司と小説がらみで再会。その恋の行方は・・・というふたつの・・・が絡み合ったお話だ。(詳しく書くとネタバレになるので)
結論から言うと★★★☆☆(3つ)
こんなに評判のいい映画なのに、それほど面白いと思わないなんて、私がおかしいのか?期待しすぎたのがいけなかったのか?さすがにちょっと不安になったので、「私と同じように思った人はいないのか?」と人のブログを覗いて見ると・・・やはり星5つが多い。私の映画の見方なんて、映画通の方々から見たら、「全然わかっちゃない」んだろうか?
でも、いくらおすぎさんが「見ないと一生悔いを残す秀作」と言おうが、岩下志麻さんが「こんなにのめり込んだ映画は久しぶり」と言おうが、そう思わないんだから仕方がない。
でもさぁ、アレじゃないの?ブログに素晴らしい素晴らしいと書いてるブロガーたちも、ほんとは、実はそうでもないくせに、人のブログ見たら、★5つばっかりだから、こりゃヤベっっ!って水増ししたんじゃないの?(笑)
内容は、第一級のサスペンスだとか言われているが、じわじわと核心に迫っていくそのプロセスが、私には少々トロくて退屈に思えた。ものすごーく行間を読ませる小説のような感じ。でも、いくらなんでも行間あり過ぎ。みたいな。
タイトルにあるように『瞳』がキーワードらしく、ことあるごとに、いろんな人の目元がアップになって、それが微妙な心理状態を物語るのだが、あまりに寄り過ぎて、目の周りの細かいちりめん皺がハンパじゃないほどリアルで恐ろしかった。
かつて思いを寄せていた女性上司との恋も、ホントはもっと二人が素敵に見えなくてはいけないのに、なぜかただの臆病な男と、胡散臭い女に映ってしまい、イマイチ魅力的に映らなかった。男の方は、覚醒剤で捕まったJ-WALKのボーカルみたいだったし…。
映画の途中で、誰かに似てると思ったら最後、その人にしか見えなくて映画どころじゃなくなるから要注意!
わたしは昔、韓国映画『シュリ』の上映中に隣の友達に、「
主役の男の人、島田紳助みたいじゃない?」と言われてからというもの、紳助の顔がチラついて観れなくなったことがある。
↓ この先、ネタばればれ要注意!!
しかし、ラストシーンの衝撃は相当だ。昔見た、新・トワイライトゾーンの『無視刑囚』がフラッシュバックした。人に冷たくした罪で、誰とも話してはいけないという刑罰だ。人間にとって、最も残酷な刑罰は、死刑でも無期懲役でもなく、これだと確信した。『瞳の奥の…』の監禁された上での無視刑も相当苦しいだろうが、市井に放たれた上での無視刑の方が耐え難いのではないだろうか?ひとりの淋しさよりふたりの淋しさって良く言うじゃん?
いろいろ書いたが、実は映画の内容よりも終始気になっていたことがある。字幕の文字のツメがギューギューだったこと。最近は文字も大きめなので、ツメないと入り切らないのかも知れないが、それにしても読みにくかった。