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築地 野口屋
 以前友達が、近所にリヤカーで売りにくる豆腐屋がいると言っていた。
今どきリヤカーで行商だなんて・・・農家も直販する時代だから、豆腐屋もスーパーに卸してるだけじゃ苦しいのかな?そう思っていた。

 しかし・・・友達が言っていたのはたぶんこれだろう。最近、都内一円を行商して売りまくり、年商8億円だとかでニュースで特集されていた。
株式会社タベルモーノ】通称:築地野口屋だ。

 なんと、それがうちの近所にも来た。売り歩くのではなく、リヤカーを商店街の一角に止めて売っていた。大の豆腐好きのわたしは、早速この絹豆腐を手にとった。
「350円です」
高っ!と思ったが、周りの人が競うようにあれこれ買っているのに押されてついつい買ってしまった。なんだかなぁ・・・。



 重い。最初に感じたのはその重さ。
なんでも普通は大豆1俵につき1200~1500丁作るところ、ここのは350丁しか作れないのだとか。
さすがに濃厚だ。が、すんごく美味しいかと言われれば、意外にそうでもない。
「塩で食べてみてください」と自信満々に言われたが、普段は主に木綿豆腐を買うわたしがわざわざ絹にしたのは、つるんとした喉越しを期待してのことだったのに、ずっしり、もっちりとした豆腐はまるでモッツアレラチーズのようで、ちょっと期待外れだった。
これはこれでお金のある人が買えばいいことで、わたしが口を挟む筋合いではないが、豆腐はやはりそんなに濃厚じゃなくユラユラ頼りなくてもいいから、手軽に食べられる庶民の味方であって欲しい。

 落語に、『徂徠豆腐』という噺がある。
かつて貧乏学者だった荻生徂徠に、出世払いだと豆腐をタダで食べさせてくれていた豆腐屋が火事で焼け出されたとき、後に御用学者となった徂徠が豆腐屋を援助して新しい店を再建したという噺だが、一丁350円もするようでは『徂徠豆腐』の世界は成り立たないではないか!
by adukot_u3 | 2010-01-23 02:53 | グルメ
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