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「学習」「科学」の休刊
「学習」「科学」の休刊_f0046622_147196.jpg 学研の「学習」と「科学」が来春にも休刊になるそうだ。
少子化もあって、さすがにこれは仕方ないのだろうが、やはり少々さびしい。

小学生のころ、どっちをとるかで悩んだものだ。
「学習」は、わりと日々の勉強そのものに役に立つ副教材風の付録が多く、「科学」は、直接勉強に役に立つわけではないが、とても興味をそそられるものが多かった。

 当然わたしは「科学」派。
知的な娯楽の少なかった田舎のこと、今月はどんな付録かと楽しみにしていたことを憶えている。
いろんな付録があったが、なかでも「アリの観察キット」が最も印象深い。
観察キットとは言っても、たしかこんなプロペラ形のプラスチックの透明な容器の中に土とアリを入れて、その生態を観察するだけという、きわめて単純なものだったような気がするが、それが性に合ったのか、妙にハマってしまい、かなり長い間アリを飼っていたと思う。

 そして、これをきっかけに、わたしの昆虫飼育が始まったような気がする。
昆虫と言っても、探検に行った山の中の池とか沼の中の水生生物がほとんどだったが、ゲンゴロウやタガメ、タイコウチやヤゴなど、今では珍しい昆虫をたくさん飼っていた。



 ちょうどこの時期、「虫のかんさつ」というタイトルの観察日記を、地域の文集に載せてもらったことがある。
でも、実は観察なんてしちゃいない。百科事典を見て書いた全くの創作だ。当時からヤなガキだったらしい(笑)
最初のタイトルは「ありとありじごくのこと」。
内容はともかかく、自分としてはこのタイトルがいたく気に入っていたのに、提出する直前に先生に「虫のかんさつ」にしなさいと言われてしぶしぶ変更したのだ。
結果的にはそれが幸いしたのかも知れないが、最初のタイトルの方がいいに決まっている!と今でもそう思っている(笑)

 小学生のとき、自分ではあまり理科が好きじゃないと思っていたが、今思うと、意外に好きだったのかも知れないと思う。
ただ、実験は男子の仕事、女子はキャーとかワーとか言いながら見ていればいいという教室の空気を壊すのもどうかと思ってそのままにしていたら、だんだんと興味を失っていったように思う。
サポートするだけの実験は楽だったが、やはり理科は、キャーとかワーとか言ってるだけじゃ面白くないのだ。

 「学習」や「科学」が休刊になっても、世の中にはいろんな教材があるので、べつに困ることもないのだろうが、あの、「なんだかよくわからないけど面白そう」という興味をかきたてるところはやはり捨てがたい。
根拠は?目的は?結果は?という、理路整然としたものを求める世の中だからこそ、そういう部分を残しといてもらいたいのだ。

しかし、1946年創刊というからもう63年か・・・。
教育環境激変のなか、よくぞ頑張ったと言うべきなのかも知れない。

あるわけないよなぁ・・・と思いながら、当時の「アリの巣観察キット」の画像を探していたら、人のブログで、当時の付録担当者は、ホテルニューオータニのデザインをヒントにあれを考えたということが書いてあった。
ニューオータニがアリの巣だったなんて・・・(笑)
by adukot_u3 | 2009-12-04 08:52 | 書籍
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