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九州旅行 その4
 せっかく高千穂を目的に来たのに、最終日まで行けてないことに焦っていた。少し早めに宿を出て、一路、高千穂峡へと急ぐ。さすがにもう道を間違えることはなくなったが、高千穂までが、また遠い遠い。

 これは、ハナっから、わたしの移動時間の設定に問題があることが、だんだんとわかってきた。よくよく考えたら、2泊3日を大分~宮崎~熊本と、3県にまたがって観光しながらの移動で、そこには道に迷ったりのロスは全く加味されていない。
 九州の広さを全く理解していないんだから、そりゃハードなわけだ。何も疑わず、文句も言わず、わたしを頼りに乗っている母には悪いことをした。

九州旅行 その4_f0046622_15284349.jpg 何とか午前中のうちに高千穂峡に到着。あまりに遠かったので、驚いたり感動したりよりも、やっとここまでたどりついたという安堵感の方が大きかった。早速1500円/30分の手こぎボートに乗る。
 真ん中に見えるのがよくテレビや写真などでよく見る有名な「真名井の滝」だ。高千穂は神話の里と呼ばれ、古文書にも記述があるほど歴史のあるところだが、うす暗く切り立った渓谷の上から、光と水が降ってくる様子はやはり神秘的で、しばし感慨にふける。
 渓谷の底から見るとその水は、滝からだけではなく、もう渓谷の岩肌全体からしみ出しているものだった。その不思議な光景を前に、何度も上を見上げずにはいられなかった。

 が、ボートを漕いでいるので、そうそう何度も見上げてもいられない。それも、漕ぎながら喋りながら、周りを眺めながら、撮影しながらで、その撮影している間にも、ちょっとずつボートが動いて、すぐにお隣のボートにぶつかってしまうので、意外に忙しい。



 渓谷沿いの遊歩道を、のんびり歩くのもいいかと思っていたところ、人も一杯だし、腰も痛いし、もう十分だからと母が言うので、そのへんをひと巡りしたところで、次の目的地の阿蘇へと向かう。

九州旅行 その4_f0046622_15312197.jpg 阿蘇は、これぞ九州!というようなところだった。野焼き?の後に芽吹いた若芽の緑が美しく、あちこちに牛も見える。こういうところは、できれば天井のない車で風を感じながら走りたいところだ。

 展望台で景色を眺めたり、写真を撮っているうちに、時間がさらに押せ押せに。時間があったら寄ろうと思っていた熊本城と水前寺公園は、結局カットせざるを得なくなったが、高千穂と阿蘇で、十分堪能したので、もう大満足だ。

 いろいろあった2泊3日の旅。
 途中、「この人と何日も過ごすのはムリ」と思ってみたり、「あんな言い方しなければ良かった」と反省したり、ああすればよかった、ここも行っとけば良かったと思い返せばキリがない。
 が、とりあえずは暑くも寒くもなく、お天気も良く、道を間違える以外に大したトラブルもなく、怪我も病気もなく、険悪にもならずに終えることができて、それだけでも神様に感謝だ。

 かつてわたしが、親の言う通りのところに一旦就職したとき、ひとり暮らしを始めたばかりの私の部屋に遊びに来た母の、満足そうな顔に我慢出来ずに追い返したことがあった。
 それ以来、母は家を出たひとり娘の部屋に来たことがなかった。今回は、そんな親不孝なわたしの、せめてもの罪滅ぼしだ。
 なったかどうかはわからないが。
by adukot_u3 | 2009-04-26 02:22 | 散歩・旅行
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